パウエル議長のタカ派転換始まったばかり-6万件のヘッドライン示す
Fedspeak指数もトーンの変化を捉え、タカ派の度合いが高まり、最初の利下げの可能性もさらに遠のいた。ただ、それでも昨年12月の議長のハト派転換でもたらされた緩和効果のほんの一部が解消されたのに過ぎない。
金融情勢の引き締めをもたらし、ディスインフレの軌道に戻すには当局がさらなるタカ派的サプライズを演出する必要性があるとBEはみており、そのプロセスは5月1日の議長の記者会見で始まる可能性がある。
そうなれば、23年初めからのパターンを繰り返すことになる。当時はシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受けてハト派転換があった後、ショックが薄れるとタカ派に逆戻りした。今年の場合、6月11、12両日および7月30、31両日のFOMC会合、8月のジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)もタカ派サプライズの機会となる。
市場が織り込む年内利上げ幅は23年末時点で計1.6ポイントだったのが、今年4月終盤には計0.35ポイントに減っている。統計上の効果でインフレ率は今夏にかけて鈍化する方向にあり、7月利下げの可能性はまだある。
ただその後、年末にかけてコアインフレ率が再び上向き始めると予想され、金融当局は7月の利下げを避けるかもしれない。その時点ではインフレ率が年率ベースで上昇しつつあり、11月の大統領選も迫っていることで、利下げの機会は年末まで閉ざされる可能性がある。
原題:60,000 Headlines Show Powell’s Hawkish Pivot Has Just Begun(抜粋)
--取材協力:Stephanie Davidson.
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Anna Wong, Ana Galvao, Nick Hallmark