発電電力は室内光で5μA…SMKが量産、「自立給電コインモジュール」の性能
SMKはエナジーハーベスティング(環境発電)技術と近距離無線通信規格「ブルートゥース」を組み合わせた「自立給電型コインバッテリーモジュール」を2025年末から量産する。発電電力は室内光の200ルクスで5マイクロアンペア(マイクロは100万分の1)、屋外の5000ルクスで100マイクロアンペア。通信距離は10メートル。ランニングコスト削減に加え、作業の効率化に寄与し、工場などのセンサー需要を狙う。 【写真】量産する自立給電型コインバッテリーモジュール コイン型電池CR2032の置き換えが可能だ。電池や太陽光発電セル、通信回路、各種センサーを一体化してコンパクト設計を実現し、堅牢(ろう)性も確保。太陽光発電(PV)で充電できるためメンテナンスが不要で、従来の電池とは異なり繰り返し使えるなど、環境に配慮した。「PVセルを大きくして、今以上に電力を賄いたい」など、顧客の要望に応じてカスタマイズも可能。 9月に開発を公表して以降、問い合わせが相次いでおり「工場内のセンサーを電池交換不要にしたい」などの声が寄せられたという。25年春からサンプルの提供を始める予定で、サンプル価格は1万円(消費税込み)。 同製品は、世界最大のテクノロジー展示会であるCESの「CES Innovation Awards 2025」を受賞した。これまで同社はエナジーハーべスティング技術を活用した環境配慮型の製品開発に取り組んできた。