育児しながら正社員への転職はムリですか? 転職の専門家が解説...柔軟な働き方ができる今、チャンスは多い
このところ、「ワークライフバランスを見直す」という理由で転職を考える方が増えています。 育児や介護、趣味の活動など、プライベートの時間を大切にしながら働きたいというニーズが高まる中、企業側も柔軟な働き方の制度を取り入れています。 実際に、幼い子どもを育てながら契約社員から正社員への転職を実現した女性がいます。希望の働き方をかなえるための転職活動のポイントについて、リクルートエージェントでキャリアアドバイザーをつとめる松原大悟が解説します。 ■「無理だろう」とあきらめる必要はない 「ワークライフバランスを整えたい」という理由で転職エージェントに相談に来られる方のなかでも多いのは、「育児をしながら正社員で働き続けられるのか」「育児のため働ける時間に制約があるか、それでも転職ができるのか」という声です。具体的にはこんな希望が聞かれます。 「保育園へのお迎えのため、18時には最寄り駅に着きたい」 「子どもの発熱など、突発的な事態の際に休めたり早退したりできるといい」 「就業時間中に仕事を終えられないとき、自宅に持ち帰ってやりたい」 「朝7時に出勤できるので、その分、早く退勤したい」 そんな希望がかなう転職ができるのか、実現できる会社があるのかどうか、相談にいらっしゃるのです。 こうした声は、いまや男性からもよく聞かれます。共働き家庭が増えるなか、家事・育児を分担するために、また、子どもと過ごす時間を増やすために、働き方を変えることを望んで転職活動を始める男性も増えてきました。 相談に来られる方の多くは、自身の希望を語った後、「そんなの、やっぱり無理ですよね」とおっしゃいます。しかし、そんなことはありません。上に挙げたような働き方をかなえている方は多数います。 近年、労働人口が減少していることから、企業は人材採用に苦戦しています。そこで、求職者のニーズに応え今まで一律の条件では採用が難しかった方々にも活躍してもらうために、柔軟な働き方の制度や仕組みを整えている企業も少なくないのです。 コロナ禍が落ち着いて以降、リモートワークから出社に戻す企業もあるものの、事情がある場合にはリモートワークを認めたり、フレックスタイム制度を導入して勤務時間帯の自由度を高めたりする傾向が見られます。 つい先日も、ある企業から「先日紹介してもらった○○さん、ぜひ採用したいので、要望通り朝7時30分に出勤し、17時に退勤する勤務形態でかまいません」という連絡を受けました。 それだけ企業側も、採用したい人材が働きやすいよう、臨機応変に対応するようになっているのです。