維新新代表・吉村洋文氏「次世代のための政党であること軸に進む」
馬場伸幸代表(59)の後任を選ぶ日本維新の会の代表選が1日、投開票され、吉村洋文大阪府知事(49)が新代表に決まった。党の立て直しを巡り「大阪一極集中」の運営が争点の一つだったが、党を創設した橋下徹氏から、松井一郎氏、馬場氏に続く「大阪組」がトップを務める流れが継承された。 【写真特集】日本維新の会代表選の様子 高い知名度がある吉村氏は8547票を獲得し、1066票の松沢成文参院議員(66)▽635票の金村龍那衆院議員(45)▽492票の空本誠喜衆院議員(60)――の3氏を大差で破った。有権者は、首長や議員ら特別党員と党費を2年以上納めた一般党員の計2万5871人で、投票率は41・8%だった。 代表選で、吉村氏は党の存在意義を問い直し、道州制の実現や、永田町文化の転換などを訴えた。1日に大阪市内であった臨時党大会で代表に選出された後、「次世代のための政党であることを軸に進む。国政政党として他党に正面からぶつかる」と決意を語った。 新代表選出後の記者会見で吉村氏は、共同代表に前原誠司衆院議員(62)を充てたい意向を表明した。しかし、党規約では国会議員団に決定権がある。新しい党三役も未定で、若手を中心に人選すると説明した。 来夏の参院選に向けて、改選数1の「1人区」で与党と野党で1対1の対決に持ち込むため、野党間でルール作りを進めたい考えを示した。すぐには「野党第1党」を目指さず、維新が掲げる政策の実現に重きを置く方向性も示した。 吉村氏は弁護士で、2011年の大阪市議選で初当選。衆院議員、大阪市長を経て、19年4月から大阪府知事。20年11月からは地域政党・大阪維新の会代表を務めている。25年大阪・関西万博の開幕を4月に控え、党代表と知事職との両立も課題となる。【東久保逸夫、鈴木拓也】