「言っとくけど、クセ毛は病気じゃないからな」髪の毛チリチリ、小6娘の「縮毛矯正」を却下する夫。母親的にはどちらにつけばよいのでしょうか?
「縮毛矯正に健康被害のリスクがあるのではないか」という内容のニュースや、クセ毛で悩むお子さんに親の方から縮毛矯正を勧めてあげるべきか否か、など、ネットを中心に何かと縮毛矯正が話題に上っている。 「私ってサバサバしてるじゃないですか?」自称サバサバ系迷惑女の本性ほど、なぜおぞましいのか? 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は縮毛矯正の危険性についてこう話す。 「先日騒ぎになったのは、縮毛矯正で使用する薬剤には内分泌を乱す化学物質が含まれることから、頻繁にこれを行う女性は行わない女性に比べて子宮がんの発生リスクが2倍以上になるという『アメリカの研究』に関するニュースでした。 しかし、日本の法律ではニュースで指摘されている物質の薬剤への使用自体が禁じられているため、国内の美容室での施術はこれにあたらないと主張する人たちもおり、情報が錯綜しています。何歳から受けるのが適切かなども含め、専門家の明確な知見が聞けると助かりますよね」 今回は、強いクセ毛を持つ一人娘の「縮毛矯正」をめぐって、夫と激しいバトルになったという女性からお話を聞いた。 「うちの娘は小さな頃から髪にウェーブがかかっていました。でも保育園の頃はまだやわらかくカールした感じで、天使みたいとか言われていたんです」 こう話すのは、43歳の田名部弥栄子さん(仮名)。 「本人も小さな頃は気にしなかったので、このまま個性としてつき合っていけるのではないかと楽観していたのですが、そうは行かなかったですね」 小学生になった娘さんは、いつか自分も周りの友達のようなストレートヘアになる日が来るのでは、と期待していたという。 「かぜとかケガみたいに、そのうちなおるものだと思うようになったみたいです。でも、待てど暮らせど直毛に変わらないことがわかると、鏡を見てはため息をつくようになりましたね」 しかも、年齢とともに一本ずつの髪は太くなり、ごわつきが増すようになったそうだ。学校で友達に指摘されたりからかわれたりして、落ち込んで帰ってくる日も増えた。 「私はクセ毛ではないですし、夫もそんな感じではありません。もしかすると、義母に似たのかなと思ったりして…」 直接聞いたことはないが、義母の髪からは「何となく縮毛矯正をかけた雰囲気」を感じる、と弥栄子さん。 「それにしても娘の髪のケアは大変でした。雨の日なんて爆発してしまって、髪を梳くことさえ一苦労でした」 娘さん本人はもとより、母である弥栄子さんも毎朝身支度するたび、気が重かったという。 「娘は毎年学校が行ういじめのアンケートで『クセ毛のことを言われて傷つく』と書くようになりました。それを受けて、何度先生からヒアリングされたかわかりません」 娘さん本人だけでなく、クラスの誰かがアンケートに「髪のことでいじめられている子がいる」と書いてくれた時もあったそうだ。 「娘は学校側への不信感も募らせていました。5年生の時の先生は親身になってくれましたけど、6年生の時の担任は『気にし過ぎじゃない?そのままで十分かわいい』『相手の子は悪気はなかったと言っている』などと、娘の神経を逆なでしたんですよ」 悪気があるかどうかではなく、相手が言われてイヤなことを言うなと教えるのが教師じゃないですか!と憤る弥栄子さん。 本人にとっては深刻な悩みでもなかなか周囲に理解されづらく、常にクセ毛をイジられバカにされてきた娘さんは、ある日自ら「縮毛矯正」という方法があることを探し出した。 「私はもちろん『縮毛矯正』の存在を知っていましたが、子供にさせていいものだと思っていなかったんです」 しかし、専門の美容院に問い合わせると「お子さんでも問題なく施術させていただけます」との答えが返ってきた。弥栄子さん親子にようやく見えた一筋の光。 「パパとママ、私、縮毛矯正をやりたい...。みんなみたいもサラサラヘアになりたい...」と悩む娘の素直な言葉を聞いたとき、弥栄子さんはこれまでのことを思い出し、グッと涙をこらえた。 ところが、弥栄子さんの段取りをよそに、まさかの事態が起こり、母娘は窮地に立たされることに……後編にて詳しくご説明する。
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