スズキの「軽量化100kgチャレンジ」にワクワクが止まらない! 次期アルトは車重600kgより軽くなるのか?
次期アルトは600kgより軽くなる?
その後アルトはモデルチェンジを重ねるごとに装備を充実させ快適性もアップしたが車重も増加していった。2009年発売の7代目では車重は740kgにまで増加していたのだ。それでも競合のダイハツ・ミラよりも軽かったのだが、2014年発売の8代目では原点回帰を目指しなんと620kgという大幅な軽量化に成功していた。しかし現行の9代目ではデュアルカメラブレーキサポートやサイド/カーテンエアバッグなどの安全装備の充実などからやや重い、680kgとなった。 この現行モデルを基準に100kg削減となると目標車重は580kgとなる。これは3代目アルトと同じ車重である。3代目といえばまだ550cc、ボディサイズも3.2m×1.4mの旧軽規格の時代で、エアコンはオプション、安全装備はエアバッグすらなかった時代である。 現在要求される安全性や快適性を満たした上でどうやってこの目標を達成するというのか。もちろんその詳細は明らかにされていないが、数多くの細かい努力の積み重ねによって達成されることは間違いないだろう。 会見中、鈴木社長から1つのヒントになるような発言があった。樹脂パーツを思い切り削減したいというのだ。確かに最近のクルマの内装は樹脂パーツで覆われ、鉄板が剥き出しになっている場所はドアのサッシュ部分などごく僅かだ。しかし過去には初代フィアット・パンダなど鉄板露出量が大きくても魅力的な内装を持つクルマは数多くあった。樹脂部品が少なくなればもちろん軽量化にもつながるしリサイクルも容易になる。 このあたりをどのようにデザインとしてうまく消化して魅力的なクルマに見せていくのか。スズキの行動理念である「小・少・軽・短・美」の最後は「美」である。今から次期アルトの発表が楽しみである。
文=山崎明