石破首相、能登で復興約束 被災者に「頑張ろうと思えるよう」
石破茂首相は5日、能登半島地震と奥能登豪雨で被災した輪島、珠洲両市を訪問した。豪雨で家屋が流された現場や仮設住宅、避難所などを視察し、被災者に対して「頑張ろうと思ってもらえるように取り組む」と述べた。被害状況や復旧・復興の進ちょくを確認し、今後の支援に反映させる考えだ。 ●就任後初の地方公務 1日に就任した石破首相の地方公務は初めて。最初の訪問場所に能登を選んだのは、15日公示、27日投開票と表明している衆院選を見据え、復興をアピールする狙いがあるとみられる。 自衛隊機で能登空港から県入りした石破首相は、塚田川が氾濫し、輪島中3年の喜三翼音(きそ・はのん)さん(14)ら4人が犠牲となった輪島市久手川(ふてがわ)町で黙とうをささげた。坂口茂市長や馳浩知事に線状降水帯が発生した時の避難指示や河川があふれた状況などを尋ねた。 避難所の鳳至小では、被災者に向かって「避難所の環境をできるだけ良くしたいと思っている。地震、水害で(避難者の)心が折れそうになっている時が政府の仕事だ」とあいさつした。住民から「輪島を見捨てないでください」と声を掛けられる場面も見られた。 地震後に建設され、豪雨で床上浸水した同市宅田町の仮設住宅も訪ね、浸水前まで暮らしていた漁業関係者から、漁ができていないことを伝えられた。農水分野に詳しい石破氏は厳しい表情を見せ「よく水産庁に伝えます」と述べた。 地震で大規模火災に見舞われた輪島朝市通り周辺も訪れ、犠牲者を悼んだ。石破首相が課題を聞いたのに対し、坂口市長は同所で新たに建物を建てるため、土地区画整理を行う必要があると説明した。 石破首相は午後に珠洲市を訪ね、土石流に見舞われた大谷町の被害状況を見て回る。西田昭二総務政務官、岡田直樹自民党参院幹事長代行が同行した。