人はなぜ「マイル修行」に夢中になってしまう!? JALの上級会員制度「JGC」 苦労して“5つ星”を取った先に得られるものとは
さまざまな特典があるJALの上級会員制度JGC
筆者は2024年4月、日本航空のJMB(JALマイレージバンク)における生涯ライフステータスで“Five Star(5つ星)”に到達することができました。 【画像】「え…!」これが「マイル修行」その先にあるメリットだ! 画像で見る(15枚) これにより、様々な特典が利用可能となり、従来にも増して快適かつ便利な空の旅が楽しめるようになったのです。 今回はJMBのライフステータスとは何なのか、そして、どうして人はこのステータス獲得を目指すのかをレポートします。
そもそもJMBとは、日本航空をはじめ、そのアライアンスである「oneworld(ワンワールド)」に加盟する航空会社を利用したり、買い物などをすることでマイルが貯まり、そのマイル数に応じて様々な特典が得られる制度です。 これはかつて、規制緩和によって激しい競争が生じる中でいかに利用者を囲い込むかを考えた末、アメリカン航空が1981年、最初に始めた制度でもあります。日本航空がこの制度をJMB(JAL MILEAGE BANK)として日本国内で導入したのは1997年。それから様々な改変を行いながら現在に至っています。 JMBの中で特に見逃せないのが、さらなる利用者獲得のために設けられた「FLY ONプログラム」です。 これは一定基準よりも多く利用した上級会員に与えられる制度で、その実績に応じて「JMBクリスタル」「JMBサファイア」「JGCプレミア」「JMBダイヤモンド」からステータスが決定。その上で1年間の搭乗によって「JMBサファイア」に到達すると、JGC(JAL グローバルクラブ)に入会できたというものです。 しかも、JGCに入会ができると、年会費さえ支払っていれば利用回数にかかわらずJGCへの資格は維持されます。そのため、このJGCに入会を目指して多くの人が、ひたすらJAL機+oneworld機に乗って“修行”する人たちが生まれたのです。 ではなぜ人々は修行してまでJGCを目指すのでしょうか?それは“上級会員”としての様々な特典が得られるようになるからです。 もっとも大きい特典が、ラウンジの利用でしょう。 非会員であれば、飛行機に乗るまでは一般のロビーで待つことになりますが、JGC会員になるとゆったりとした空間が広がる専用ラウンジに入室でき、そこではアルコール類を含む飲み物やおつまみなどが提供されます。国際線のラウンジではサラダやカレー、にぎり寿司、麺類、デザートといった食事が無料で提供されるのです。 さらにマッサージや靴磨きといったサービスがあり、飲み物だけが提供されるカードラウンジとはここが大きく違います。 それだけじゃありません。会員特典は航空券の航空券の予約でも提供されます。 航空券のセールが行われるとき、実は会員に対しては公式発売日よりも前に発売されるのです。つまり、航空券を安く買えるチャンスが一般よりも高くなるのです。これはキャンセル待ちでも同様で、会員には優先権が与えられ、たとえば非会員の人が先にキャンセル待ちをしていても、会員はその順番を飛び越えて優先権が与えられます。ここでも航空券を入手しやすく優遇しているというわけです。 LCC(ローコストキャリア)と違って、JALなどレガシーキャリアでは席の指定を無料で行えますが、ここでも会員には優先権が与えられます。 より足元が広い最前列席や非常口席を事前に指定できるのは会員のみ。非会員は搭乗日の2日前にならないとオープンになりません。 しかも、これらの特典はステータスの順位が上がるほど優先権が高くなるのです。また、ステータスの順位によってマイルのボーナス特典も付与され、「JGCプレミア」「JMBダイヤモンド」になるとe-JALポイントや様々なギフトも選択できるようにもなります。 こうした理由から、仮にJGCになっても、さらにその上を目指してより有利な特典を獲得しようとひたすら乗り続ける人が絶えないのです。