車の電動化に必須な「インバーター」、デンソーが福島で生産始めた狙い
デンソーは、生産子会社のデンソー福島(福島県田村市)でインバーターの生産を開始したと発表した。インバーターは車の電動化に必須の製品で、バッテリーからの直流電流を交流に変換することができる。デンソー福島で新たにインバーターを生産することで国内体制を強化し、デンソーグループの電動化領域の競争力を高める狙いがある。 【写真】インバーター生産を開始したデンソー福島 デンソー福島の第2工場内に新たにインバーターの生産ラインを立ち上げ、5日に出荷を開始した。これまでデンソー福島ではカーエアコンやエンジンクーリングモジュール(ECM)などの自動車用熱機器製品やガソリンエンジン用燃料系製品を生産していた。 デンソーはインバーターを1997年から生産している。世界シェア1位を維持する同社の主力製品の一つだ。国内では安城製作所(愛知県安城市)や広瀬製作所(同豊田市)で生産していたが、さらなる電動化製品の需要増を見据え、国内3拠点目となる生産ラインを福島に設置した。 グローバルでは北米や欧州、中国など8拠点でインバーターを生産。現地ニーズに合わせた柔軟な生産体制を敷いている。