子どもを言い訳に使っていないか…メンタルコーチが「仕事か、子育てかの二者択一は古すぎる」というワケ
人生の転機に、二者択一を迫られたらどのように決断すればいいか。メンタルコーチの一条佳代さんは「『二兎を追う者は一兎をも得ず』ということわざがあるが、これは昭和時代にインストールされた、まるでアップデートされていない発想だ。今は家電などテクノロジーも進化し、『二兎を追う者だけが二兎を得る』時代である」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、一条佳代『行動力神メソッド55』(三笠書房)の一部を再編集したものです。 ■行動力を低下させる“タラレバ思考”という鎧 無意識のうちに「できないこと」を探し、何かにつけて「できない理由」を持ち出していませんか? 「できない理由」は、思考の鎧です。 重くて堅い鎧を全身にまとっている自分を、イメージしてみてください。 鎧で自分を守ろうとしたつもりが、事あるごとに鎧を追加していくうちに、身動きがとれなくなってしまう。次第に、鎧と完全に一体化してしまい、鎧すら自分の一部になっていないでしょうか? 行動できる人は、やりたいことに対して鎧がなく、とても身軽です。身軽だから、必要なタイミングで動くことができるのです。 あなたも、今すぐ、自分を縛っている鎧の存在に気づきましょう。鎧を脱ぎ捨てて、身軽な自分を取り戻すのです。 「もし○○だったら」「あのとき、○○していれば」のように、まだ起きていないことを気に病んだり、すでに終わったことをいつまでも引きずったりする“タラレバ思考”はあなたの行動力を低下させます。また、クリエイティブな発想を邪魔します。 「もし親の介護で時間がとれなくなったら……」 「もっと会社の理解があれば……」 こんなタラレバ思考の言い訳があふれてきそうになったら、すぐさまその言い訳をストップしましょう。完全に言い訳をやめるのが難しかったら、ちょっとやめてみる、くらいのスタンスでもかまいません。
■自由に発想を広げ、理想のモデルケースを探す 初級 タラレバ思考を受け入れる 初級では、タラレバ思考の言い訳をしている自分を、否定せずに受け入れるところから始めます。タラレバで考えてしまっても大丈夫。自分の中にタラレバ思考があるという事実を認めるだけでも、大きな前進です。 中級 タラレバ思考を手放して得られるものをイメージする 次に、タラレバ思考を手放したら何ができるかを考えます。たとえば「小さい子どもがいるから、英語の勉強ができない。時間があればできるのに」と言い訳しているなら、「子どもがいなかったとしたら、実際にどうするか」「子どもを一時保育に預けてみたらどうなるか」などを考えてみます。 実際に子どもを預けてください、ということではありません。思考のトレーニングをするつもりで、自由に発想を広げてみましょう。 上級 やりたいことを実現している「理想のモデルケース」を探す 前述の例であれば、子育てをしながら英語を勉強してスキルアップしている理想のモデルケースを探してみます。そのモデルケースがどのように過ごしているのかに興味をもって、調べてみましょう。 ご本人と直接お話ができれば、もっとよいですね。「どんな工夫をしているんですか?」などと質問をすれば、貴重なヒントが得られるはずです。 ---------- Point まずは、言い訳をしている自分に気づくことから始めよう ---------- ■明日に回さず、今やりたいことを一つやる 「明日からダイエットを始める」と言いながら、おいしいものをたくさん食べてしまう。翌日になったら、「今度こそ明日からダイエットする」と言い、やっぱり、いつものように食べてしまう……。 あなたも、こんな経験がありませんか?(何を隠そう、かつての私がまさにそうでした)。 でも、いつかやろう、今度やろうと考えているだけでは、「いつか」「今度」は永遠にやってきません。 やろうと思ったことが手つかずになると、時間とともにやる気が失われていきます。「できなかった」と自分を責める気持ちも芽生えてしまいます。 ですから、いつかやろう、今度やろうという考えを手放しましょう。明日に回すのをやめて、今やりたいことを何か一つ始めてみるのです。 たとえば、友だちや職場の同僚と話をしていて、「一緒にランチに行きたいね」という話になったとします。そんなときは、「また今度行こう」で終わらせず、できることを考えて動いてみてください。