フサフサの牧草地帯だった、NZ・オークランドのロドニー地区が!?…不動産平均価格「100万NZドル超」に、現地のプロもめまい【NZ不動産の最新事情】
ニュージーランドのオークランド地方の不動産価格を見ると、これまでにない価格上昇を見せるエリアが出現。なぜそのようなことが起こっているのか、現在の不動産のトレンドや、宅地開発エリアの現状などを交え、解説します。NZ不動産売買のリアルな現場から、最新事情をレポートします。※本記事は、2024年5月13日現在の情報に基づいて執筆されています。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
現地のプロも驚く、オークランド地方一帯の価格動向
新年度が始まってから、早くも2ヵ月が経過しようとしています。今回は、あらためて、ニュージーランドのオークランド地方全体の不動産価格についてのご案内から始めたいと思います。 まずは、下記の図表をご覧ください。 それぞれの地域がどのようなところかご存知かどうかで、価格の見方も変わってくると思いますが、筆者がこの価格の推移を見てまず驚いたのは、ロドニー地区の不動産価格が100万NZドルを超えていることでした。思わずめまいがする思いです。 ロドニー地区は、ひとことでいえば田舎で、オークランド市内中心から1時間くらいかかる地域です。市内で生活している身としては、正直「遠いな」という印象を持っていました。しかし、近年では宅地造成がされ、ノースショアに住んでいた人たちが、さらに北や北西へと移動し、新興住宅地の物件を購入するようになりました。
ホームオフィス化が進み、人々は市街地から離れたエリアへ
25年前は、オークランド北部のアルバニー地区が、現在のロドニー地区のように、フサフサの牧草地だったところが開拓され住宅地になり、いまでは、普通の居住地域と商店街が立ち並ぶ、活気ある街へ変貌を遂げました。 アルバニー地区も、高速道路が整備されて市内中心地から近くなり、その先にあるロドニー地区のアクセスもよくなったことが、価格上昇の一因だと考えられます。 北部のノースショアだけではなく、オークランド地方の南部も、旧市街であるパパクラ地区やカラカを中心に、農牧地から宅地造成され、一般居住地域へと移行しつつあります。 これらの新規宅地造成では、2~3ベットルームのタウンハウス建設もされていますが、4~5ベットルームの大型物件や、高品質の注文住宅なども多く、不動産価格も100万NZドル越えの物件も増加傾向にあります。 同じ100万NZドルを出すとしても、オークランド市内中心は土地が高いため、部屋数が少なかったり、中古物件だったりすることが多いのですが、通勤利便性が高いため、市内にこだわりを持つ方は少なくありません。 しかし、ホームオフィス化が進むとともに、部屋の広さや価格の安さを求め、東西南北、市街地から離れた地域へと移り住む人々の流れができています。 また、ノースショア地区の不動産価格は、市内中心地より高価格で推移していますが、これは海沿いの高級住宅地や新興住宅地の数の増加が、価格帯の伸びに繋がっていると推察されます。 我々の業界では売上の表彰式がありますが、その際、ステージに上がる支店名に注目して、その時期の不動産売買のトレンドを読んでいます。最近では、四半期・年間いずれも、賃貸部門・販売部門ともに、ノースショア及びロドニー地区の支店がトップクラスとして表彰台に上がっています。これらの地区が活況な証左だといえるでしょう。