【解説】「国際法」を巧妙にすり抜け…運航に必要な安全確認の検査を受けず 潜水艇“大破”…5人死亡か
日テレNEWS
海底に沈む豪華客船「タイタニック号」の探索ツアー中に潜水艇が消息を絶ってから、丸4日がたちました。捜索が急展開し、乗っていた5人の生存は絶望的となりました。 「国際法」を巧妙にすり抜け…運航に必要な安全確認の検査を受けず
改めて、タイタニック号が沈んでいるのはカナダのニューファンドランド島の南、約700キロの海底です。捜索を続けてきたアメリカの沿岸警備隊は、現地時間22日の捜索で、「タイタニック号」の残骸から約500メートル離れた地点で、無人探査機が「大きな破片」を5つ発見したと発表しました。 沿岸警備隊の幹部は、「海中で大惨事が起きた」と話していて、ツアーの運営会社は、「5人全員が亡くなったとみられる」とする声明を発表しました。潜水艇でいったい何が起きたのでしょうか。 ◇4日前に“爆発音”? ◇大破の原因は? 以上の2点について詳しくお伝えします。
■「耐圧室」が大破か…発見された5つの破片
捜索にあたった沿岸警備隊は、会見でこのように話しました。 アメリカ沿岸警備隊 「けさ、カナダの船から派遣された無人ロボットが、海底に沈むタイタニック号から約500メートルの地点で、潜水艇『タイタン』の船尾を発見し、その後、さらに他の破片も見つかりました。これらの破片は(潜水艇の)耐圧室が大破したことを意味している(との結論に達しました)。この結論を受けて、我々は速やかにご家族にその事実を伝えた」
今回、海中で発見されたのは、潜水艇タイタンの5つの破片です。最初に見つかったのは、人が乗り込んでいた耐圧室の窓がある部分でした。さらに、その後、耐圧室の前方や後方の一部とみられる複数の破片が見つかったということです。こうした状況から、耐圧室そのものが大破して、生存者がいる希望はなくなったという結論に至ったということです。
■“爆発音”? 沿岸警備隊「捜索が始まる前にすでに潜水艇が大破していた可能性が高い」
海底から聞こえた音は一時、生存者がいるのではないかという希望も与えましたが、結局のところ、大破した船の破片同士がぶつかりあっていた音だった可能性もあるという見方もあります。 実際、潜水艇がどのタイミングで大破したのか、明確なことはまだわかっていません。捜索隊は、捜索を始めてから3日間、水中の音を検出するソナーを海中に設置していて、船が大破したとすれば、その音はソナーで検出されるはずでした。この期間、爆発音のようなものは検出されなかったということです。 また、複数のアメリカメディアは、アメリカ海軍高官の話として、「タイタンの通信が途絶えた直後に、破片が発見された現場付近で、爆発音のような音が検出されていた」とも伝えています。 こうした状況から、沿岸警備隊は「本格的な捜索が始まる前にすでに潜水艇が大破していた可能性が高い」とみています。 ただ、沿岸警備隊は、現時点では原因を特定するのは早すぎるとして、周辺海域での調査を続ける方針です。