ロビンソンの現役時代の背番号「４２」をつけた大谷。ロビンソンのように、「二刀流」で新たな道を切り開く（撮影・蔵賢斗）

【ロサンゼルス１５日（日本時間１６日）＝丹羽政善通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手（２９）はナショナルズ戦に「２番・ＤＨ」で出場し、３打数１安打、１盗塁だった。１９４７年のこの日はジャッキー・ロビンソンが初の黒人選手としてデビューした記念日で、全選手がロビンソンの現役時代の背番号「４２」をつけて試合に臨んだ。大谷はドジャースでデビューした偉大な先人への思いを胸にプレーしたが、チームは４―６で敗れた。 【写真】ロビンソンの銅像前で記念撮影する大谷らドジャースナイン ３－６の七回２死一、二塁で背番号「４２」をつけた大谷が打席に入ると、本拠地ドジャースタジアムはこの日一番の盛り上がりを見せた。 カウント０－２と追い込まれながらの５球目、バットから快音が響く。多くのファンは腰を浮かせ、ロバーツ監督も「ひょっとしたら」と期待した。「彼の打球が前に飛べば、何かが起こるんじゃないか、という感じになるからね」。しかし、打球は中堅正面のライナー。「（ヒットが出るという）雰囲気はあったんだが」と指揮官は天を仰いだ。 １９４７年４月１５日に初の黒人選手としてデビューし、ドジャースでプレーしたジャッキー・ロビンソンの功績をたたえる目的で制定された「ジャッキー・ロビンソン・デー」。毎年この日は全選手がロビンソンの背番号「４２」をつけてプレーする。ドジャースタジアムでは、練習前に中堅後方にあるロビンソンの銅像の前に集まってセレモニーを行うのが恒例。初参加となった大谷は、山本と一緒にロバーツ監督らのスピーチに耳を傾けた。 試合開始前にはロサンゼルスの英雄と笑顔で握手を交わした。ドジャースの共同オーナーの一人で、米プロバスケットボールＮＢＡ、レーカーズのレジェンド、マジック・ジョンソン氏（６４）とツーショットに納まった大谷。一回１死、痛烈な打球を右前に放つと、一時同点のホームを踏んだ。２―６の六回は先頭打者で打撃妨害により出塁すると、俊足を飛ばした。抜群のスタートで悠々と二盗を決め、さらに相手投手の暴投で三塁を陥れる。１死後にスミスの三ゴロの間に生還し、無安打で１点を返した。 ３打数１安打、２得点、１盗塁。チームの「ジャッキー・ロビンソン・デー」の連勝は８で止まったが、先人に思いをはせながらプレーし、グラウンドを駆け回った。打率・３３８をキープ。一方で得点圏打率・０６３（１６打数１安打）と低迷しており、昨季同・３１７だった勝負強さが求められる。