新監督就任後は負け知らず。日本代表と対戦するバーレーン代表はどんなチームなのか?【アジア最終予選】
北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第2戦が現地10日に行われ(日本時間10日・25時キックオフ)、日本代表はアウェーでバーレーン代表と対戦する。これまでも何度か対戦してきた中東の国は第1節で敵地ながらオーストラリアに勝利を収め、勢いに乗る。現在のチーム状況をリポートする。 【動画】アジア最終予選◎オーストラリア対バーレーン ハイライト
アウェーでオーストラリアを撃破!
両国は今年1月のAFCアジアカップでも戦っている。日本代表は決勝トーナメントの1回戦でバーレーンに3-1で勝利。通算成績を9勝2敗とした。こうして直近の結果や過去の戦いを見ると、日本代表に分があるように見える対戦カードだ。 しかし、今のバーレーンを侮ってはならない。アジアカップ後に監督交代があり、ドラガン・タラジッチ新監督が就任してからのバーレーンは5試合で3勝2分と一度も負けていない。しかも、9月5日に行われたアジア最終予選の初戦では5大会連続でワールドカップに出場しているオーストラリア代表にアウェーで勝利(◯1-0)を収めている。 今回の9月シリーズに向けた準備も抜かりない。バーレーンは7月下旬から8月上旬にかけてスロベニアで事前合宿を行い、練習試合などを重ねてオーストラリア戦や日本代表戦で勝ち点をもぎ取るべく徹底的に戦術を落とし込んだという。 タラジッチ監督はバーレーンメディア『ガルフ・デジタル・ニュース(GDN)』のインタビューでスロベニア合宿を総括し、「まずはオーストラリア戦に向けた準備に集中していた。オーストラリアに対して我々が戦術的にどんなことをやっていくのか、たくさんのことに取り組んできた。それらは非常にうまくいったと思う」と語っていた。 そして、準備の成果はアウェーでの勝ち点3という形で報われることになる。バーレーンは4-4-2のブロックで守りを固めつつ、両サイドのアリ・マダンやモハメド・マルフーンが武器とするスピードを生かしたカウンターを徹底。77分に相手選手が1人退場して数的優位を手にすると、89分に左サイドからのクロスがオウンゴールを誘発した。オーストラリアに勝利するのは、バーレーン・サッカー史上初めてのことだった(通算成績は1勝6敗)。 勢いに乗ったチームはホームに戻り、2連勝を狙う。事前合宿では「オーストラリア戦に向けた準備に集中」し、試合の1週間以上前から現地入りして調整するなど初戦に並々ならぬ情熱を注いできた。歴史的な勝利の後、長距離移動を経ての2試合目に向けた準備が足りていない可能性もあるが、指揮官の言葉に耳を傾けるとバーレーンが9月シリーズの2試合を地続きで想定しているとも考えられる。 「(最終予選の)最初の2試合は非常に重要になる。非常にタフな相手と対戦することになるのは間違いない。オーストラリアと日本は、サウジアラビアとともにこのグループの首位候補だ」 バーレーンが日本やオーストラリア、そしてサウジアラビアを格上とみなしているのは間違いない。この3ヶ国から確実に勝ち点を奪えれば、初のワールドカップ出場に大きく近づくことができる。 ならばオーストラリア→日本という順番で対戦する9月シリーズは1試合目に向けた準備をそのまま生かし、試合後のフィードバックも含めて改善しながら、2試合目は日本のシステムや戦術に合わせてマイナーチェンジすればいい。10日の試合はホームゲームになるが、より現実的な戦いで勝ち点を積み重ねようとするのではないだろうか。