紀州のドン・ファン殺害事件、元妻「毎月100万円もらう約束で結婚」…被告人質問で述べる
和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた会社経営者野崎幸助さん(当時77歳)を殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(28)に対する裁判員裁判の被告人質問が8日、和歌山地裁で始まった。須藤被告は、野崎さんと結婚した理由について、「毎月100万円をもらうことなどを約束した」と述べた。
起訴状では、須藤被告は2018年5月24日、野崎さん宅で、何らかの方法で野崎さんに致死量の覚醒剤を飲ませて殺害したとしている。須藤被告は今年9月の初公判で「私は殺していません」と無罪を主張した。
被告人質問は8、11、15日の予定で、初日は弁護側が質問した。
須藤被告は、17年12月に知人の紹介で野崎さんと初めて会った際、野崎さんから「遺産は君にもらってほしい」と言われ、求婚されたと説明。須藤被告が毎月100万円を受け取り、田辺市に住まないことなどを条件に、18年2月に婚姻届を提出したとした。
事件を巡っては、直接的な証拠がなく、検察側は、これまでに計28人の証人尋問を実施。野崎さんに自殺の兆候や覚醒剤常用の形跡がなかったとし、離婚を切り出された被告が遺産を得る目的で野崎さんを殺害したとの主張を展開してきた。