白川未奈、イギリスでベルトも取ったアメリカ遠征を語る「アメリカでの熱『WE WANT MINA!』がイギリスにも伝わったのが、ホントに感動的でした」
「ミナのエモーションがすごかったとよく言われました。顔の表情から湧き出るエネルギーがすごいって」
そして白川は、6・30新日本&AEW「フォービドンドアー」でトニーのベルトに挑戦。タイトル奪取こそならなかったものの、これら一連の活動が1カ月間の遠征につながったことは明らかだろう。 「3月から『フォービドンドアー』に向けて、毎回査定されている気持ちでやっていました。6・30は女子の大きなタイトルだし、自分のプロレスが評価の目にかなったのか、すごく不安だったんですよ。でもその後にオファーが来たということは、自分がやってきたことは間違いではなかったんだなと思えて、うれしかったですね」 1カ月の遠征は8月10日のROHでスタートした。相手はロードウォリアーズのマネジャーとしても知られるポール・エラリングの娘、レイチェル・エラリング。翌日もROHでタヤ・ヴァルキリーと闘った。2人ともスターダムへの参戦経験があり、レイチェルは2018年の5★STAR GPにエントリー、タヤは16年に来日し、両者とも紫雷イオのベルトに挑んでいる。 17日にはロビン・レネゲード、28日にはミッサ・ケイトと対戦。特筆すべきは、その間に起こったハプニングだ。AEWは25日に英国ロンドン・ウェンブリースタジアムで2度目のスーパービッグショーを開催。ここで英国出身のマライアがかつて英国を主戦場にしていたトニーのベルトに挑戦。 その試合を見るために、白川もイギリスに飛んだ。するとその大会の前日、RPWから突然オファーが舞い込み、RPW統一ブリティッシュ女子王座に挑戦する機会を得た。しかもそのチャンスをものにし、元WWE(NXT UK)のダニー・ルナを破って第9代王者となったのである。 「もともと決まっていた挑戦者が出られなくなっちゃって、誰がいいかとなったときに、代打としてミナ・シラカワを呼ぼうとなったみたいで、うれしかったですね。と同時に、すごくプレッシャーもありました。イギリスで試合をするのも初めてだし、お客さんがどんな感じなのかもわからない。でも、入場した瞬間からすごく盛り上がって、アメリカでの熱、『WE WANT MINA!』がイギリスにも伝わったんだというのが、ホントに感動的でした。しかもベルトまで取ってしまって。責任感が増しますね」 思わぬところで王者になった白川。ちなみに、RPWのベルトを取ったとき、昨年活動休止となったSWEサウスサイド女子王座のベルトがついてきたとのこと。あくまでも白川はRPW統一ブリティッシュ女子王者であり、2冠というわけではない。それでももちろん英国王者という事実に変わりはなく、白川が今後どのようにこのタイトルを動かしていくのか楽しみでもある。 今回の遠征は、新日本8・30ワシントンDCが最終戦だった。ここで白川は“アメリカ武者修行中”のHANAKOとタッグを結成、トリッシュ・アドラ&ヴィヴァ・ヴァン組と対戦。そして結果的に、白川は全勝で遠征を終えた。タッグでも白川がフォールを取っており、トータル6戦はAEWの準レギュラー的扱いだったと言ってよさそうだ。 「イギリスで試合をしたのもビックリだし、6試合できたのもビックリですね」と白川。日増しに評価や認知度が上がっていったようである。では、遠征中、彼女はどんな心がけでリングに上がっていたのだろうか。 「自分が日本で得意にしていたものは変えずにしたかったので、3大フィニッシュ(足4の字固め、グラマラスドライバーMINA、グラマラスコレクションMINA)は全部出しました。そこは自分がやってきたことを貫き通そうと思いながらやっていましたね。また、それでいてアメリカも意識しながら。たとえば、足4の字の入り方にしても、日本とは違うトリッキーな入り方の方が沸いたりするんですよ。得意技は変えなかったけど、向こうに合わせる意識もして。また、日本の女子プロレスを見たいと思っているファンもいるだろうから、自分のプロレスの中での感情表現を意識しましたね。それによって、ミナのエモーションがすごかったとよく言われました。顔の表情から湧き出るエネルギーがすごいって。それってアメリカの女子レスラーにはなかなかできないんだよと褒めてもらいました。それが日本でやってきた日本のプロレスでもあるし、私の特徴だなと思ったので、そこをより自分的に表現するようになりましたね」