白川未奈、イギリスでベルトも取ったアメリカ遠征を語る「アメリカでの熱『WE WANT MINA!』がイギリスにも伝わったのが、ホントに感動的でした」
【WEEKEND女子プロレス#30】
スターダムの白川未奈が8月に1カ月間のアメリカ遠征をおこなった。この時期はちょうど、シングルリーグ戦「5★STAR GP」と重なっており、白川は全戦欠場、リーグ戦には参加しなかった。昨年まで3年連続3度出場しており、年を追うごとに自身のスタイルを確立させ、結果、内容とも上り調子。それだけに、今年は優勝候補の一角に躍り出る可能性もあっただろう。が、白川はあえてアメリカAEWを選択した。その理由(わけ)とは? 【写真ギャラリー】世界で活躍する“弾けるヴィーナス”白川美奈(写真:新井宏) 「これはもう、賭けですね。自分自身を輝かせるための賭けです。私はもう年齢も決して若くはないから、限られた時間のなかで駆け上がるためにはなにが必要かを常に考えているんですけど、この時期に海外からオファーが来たということで、とにかくこの波に乗ってみようと。ここで断ったら次はないかもしれない。直感でビビビと来たので、行くと決めました。といっても、AEWからのオファーは『1カ月間来てほしい』という、ただそれだけでした。具体的にどの試合に出るとか、何試合やるとかはなにもなく。もしかしたら試合が組まれない可能性だってあるわけです。行ってみなければわからない状態だったんですよね」 しかしながら、このオファーは突然降ってわいたものではない。彼女のアメリカでの試合が認められ、白羽の矢が立てられたのだ。 まずは今年3月13日、ROHでのアナ・ジェイ戦でアメリカデビュー。4月にはスターダムのアメリカ大会を軸に4大会に参戦した。同月にはもう一度アメリカに渡り、AEWデビューでアナと再戦をおこなった。アナはこの2試合でスターダムの目に留まり、今年の5★STAR GPにエントリー。白川とのレンタルトレードのような形で初来日を実現させたのである。 6月になると、白川は何度も日米(スターダム&AEW)を往復するようになる。5日には、WWEでCMパンクのユニットに所属し丸坊主になったことで話題になりSMASHに来日していたセリーナ・ディーブと対戦。元ワールド・オブ・スターダム王者でもあるトニー・ストームのAEW女子世界王座への挑戦が決まり、その調印式のためだけにも渡米した。リング上の調印式では大観衆の前で堂々とした英語を披露し、PPVへの期待を高めてみせた。 26日にはタイトルマッチを前にあえてトニー、日本で組んでいたマライア・メイとトリオを結成。マライアとの関係性がアメリカに持ち込まれ、トニーとのストーリーに組み込まれたのも画期的だ。トニーと白川のチームがうまく機能するはずもなかったが、このときの相手がサラヤ&ハーリー・キャメロン&アナ組だった。 サラヤとは、元WWEのペイジで、カブキウォリアーズ(アスカ&カイリ・セイン)のマネジャーもつとめていたスーパースター。英国の家族経営団体からWWEに挑戦した彼女の自伝的物語が“ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソンプロデュースの『ファイティング・ファミリー』として映画化もされており、現在はAEWで闘っているのである。