JR四国「ミルクサーモン」初出荷 鉄道以外で収益拡大目指す
JR四国は、試験的に取り組んでいる陸上養殖サーモンの出荷を始めた。首都圏のスーパーでは12月に期間限定で販売され、2025年1月10日からはJRホテルクレメント高松(高松市)のレストランメニューとして提供する。 同社は赤字が続く鉄道事業以外での収益拡大を目指し、1次産業にも参入しようと24年夏から陸上養殖に乗り出した。将来的には、四国で展開することを目標としている。 現在はその前段階として、熊本県八代市で海水魚の陸上養殖を手がける会社「ひらやま」の用地内に水槽(直径約5メートル)を6基設置。ひらやまからノウハウを学びながら、キングサーモンとニジマスなどを掛け合わせた品種「選抜育種」やトラウトサーモンを地下水掛け流しで育てている。 初出荷は150匹程度で、餌に粉ミルクを混ぜていることから「ミルクサーモン」と命名。臭みがなく、脂の少ないあっさりした味わいの中にうまみがあるのが特徴だという。クレメント高松では洋食と和食の両方でメニューに加える。食材がなくなり次第終了する。 25年夏前には約2000匹を出荷できる見込み。24年度中には四国内で養殖用地を決めたい考えで、30年までに年間売り上げ1億円を目指す。JR四国の四之宮和幸社長は「1次産業の割合が高い四国で、サーモン養殖を通して地域の活性化に寄与したい」と話している。【佐々木雅彦】