2024年上期の全国企業倒産は約22%増の4931件、増加率は卸売業が約37%増、運輸業が約30%、小売業は約23%増
東京商工リサーチが2024年7月5日に発表した、2024年上半期(1-6月)の全国企業倒産(負債額1000万円以上)件数は、前年同期比22.0%増の4931件、負債総額は同22.8%減の7210億4200万円だった。 産業別では、「卸売業」が前年同期比37.5%増の626件、「運輸業」が同29.7%増の244件小売業は同23.5%増の536件など。円安による仕入れコストの上昇、燃料高などが影響したと見られる。
2024年上半期の産業別件数は、「金融・保険業」を除く9産業で前年同期を上回った。最も多かったのは「サービス業他」で、2024年上半期の倒産件数は同19.8%増の1619件。上半期としては2年連続で前年同期を上回った。上半期倒産件数に占める「サービス業他」の構成比は32.8%となっている。
次いで多かったのが「建設業」で、同20.6%増の947件。3位は「卸売業」で同37.6%増の626件だった。「建設業」の倒産件数は3年連続、「卸売業」の倒産件数は2年連続で前年上期を上回った。 2024年4月から時間外労働の上限が制限された「運輸業」は、同29.7%増の244件で4年連続前年同期を上回った。「小売業」は同23.5%増の536件だった。 負債総額で見ると、2024年上半期の負債総額が最も大きかったのは「サービス業他」で、負債悪は同46.0%減の1639億8700万円だった。次が「卸売業」で同37.8%減の1269億6400万円。さらに「建設業」が同46.6%増の1022億7500万円となっている。
「ゼロゼロ融資」利用後の倒産件数は前年同期比2件増加の327件でほぼ同水準。「人手不足」関連倒産は求人難58件(前年同期27件)、人件費高騰47件(同24件)、従業員退職40件(同16件)。「後継者難」倒産は254件(同210件)などとなっている。