スカニアが鉱山での自動運転プロジェクトを相次いで発表! 鉱山開発でトラックを自動運転することのアドバンテージとは?
リグループと自動運転フリートを構築
いっぽう、同じオーストラリアの鉱山サービスプロバイダーであるリグループとの自動運転フリートの商用化は、スカニアの「G560」トラックの8×4リジッドダンプを自動運転するもので、合計11台によるフリートを構築する。やはりピルバラ地域にあるブッチャーバード鉱床の「エレメント25」で、2025年末までに運用を開始する予定だ。 多数の自動運転トラックによるフリートの構築は両社にとってマイルストーンだといい、世界中の鉱山会社から注目を集めそうだ。 民間の鉱山開発会社であるリグループは鉱石のバルク輸送も請け負っている。自動運転トラックの導入は変革の「第1フェーズ」だといい、今後は電動化も検討している。同社のマネージング・ディレクター、マイケル・スティル氏のコメントは次の通りだ。 「私たちはスカニアとともに、イノベーションと持続可能性にコミットしています。自動運転ソリューションの統合は鉱山の運営にとって革命的なことですが、私たちはさらに車両の電動化も進めて行きます」。 なお、同社はブッチャーバード鉱山での水運搬用にスカニアの8×4バッテリーEVトラックも注文しているそうだ。この提携には戦略的な側面もあり、エレメント25で採掘されるマンガンはバッテリーの素材として不可欠で、両社にとって電動化や循環型経済を実現する上で重要な資源だ。 鉱山での自動運転によりドライバーの仕事がなくなるものではなく、両社は人間が危険を伴う現場に向かう機会を減らすものとしている 「自動運転フリートはコスト低減と脱炭素を支援するもので、ドライバーの仕事を奪うものではありません。彼らの職場が、危険な現場から自宅の近くにあるコントロールルームに変わるだけです。関係者全員が『ウィン・ウィン』の関係です」。(テイラー氏、およびスティル氏) 自動運転フリートは、従来は積載量が100~200トンの巨大な鉱山用ダンプで行なっていた輸送を、同40トンの自動運転トラックに置き換えることで燃料消費と環境負荷を最小化する。小型で効率的な運用が可能なトラックにより、輸送量を維持しつつ燃費向上を図る。