500円玉貯金、数えてみたら25万円! 銀行に持って行ったら外貨預金を勧められました。メガバングなら安心だし、契約してもいいですよね?
現金で買い物をしてお釣りに500円玉があった場合は、全部貯金箱に入れていたというAさん。先日数えてみたら500枚以上あったそうです。これを銀行に持って行ったら、金利のいい外貨預金があると勧められました。 「メガバングで安心だし、すぐに契約したいのですが、デメリットはありませんよね?」とのご相談。ファイナンシャル・プランナーが外貨預金のメリット・デメリットをご紹介します。 ▼祖父の部屋から「大量の小銭」を発見! 申告は必要? 勝手に使うのはNGなの?
メガバンクで安心? そもそも外貨預金ってどんな商品?
メガバンクで扱う金融商品なら、どんな商品を買っても安心と思っている人は多いのではないでしょうか。 そもそも、外貨預金は外国の通貨に交換して「外貨」で預金をします。日本円から外貨へ交換したり、逆に外貨から日本円へ交換したりするときの交換レートを為替レートと呼び、日々変動しています。 外貨へ交換して預けた外貨預金は、外貨のままなら元本や利息は保証されます。しかし、満期時に日本円に交換する際の為替レートによっては、預金時の日本円がすべて戻ってくる保証(元本保証)はありません。そのため、外貨預金は価格変動があり、リスクのある金融商品です。 また、外貨預金は元本保証がないばかりでなく、銀行が万一破綻した際に保護される仕組みの「預金保険制度」の対象外です。メガバンクに限らず、どの銀行で外貨預金をしても預金保険制度の対象外であることに変わりはありません。
図表1
外貨預金のデメリット
外貨預金のデメリットについて、もう少し詳しく見ていきましょう。 <為替手数料がかかる> 外貨預金は、預け入れるときと日本円で引き出すとき、それぞれ通貨交換の都度、為替手数料がかかります。為替手数料は銀行や交換する通貨によって異なります。 相談者が、「1年間米ドルの外貨定期預金(為替手数料:1米ドルにつき1円)をした」と仮定して見ていきましょう。 注)この記事の為替レートは、実際の値動きではなくすべて架空のものです。 ■日本円→米ドルへ交換 相談者が25万円を1米ドルあたり155円のときに米ドルに交換すると、手数料1円を加えた1米ドルあたり156円で米ドルを購入するため、交換後の米ドル額は約1603米ドル(25万円÷156円)になります。 つまり、為替レートが155円なら1613米ドルが買えますが、手数料を加えた156円では1603米ドルしか買えず、差額の10米ドル(1550円)が為替手数料です。 ■1年後利息受け取り 1年間米ドル建て外貨定期預金(年利4.5%)をすると、税引き後の利息(約57ドル)が付き、満期時に1660米ドル(1603米ドル+57米ドル)を受け取れます。 ■満期時、米ドル→日本円へ交換 満期時の為替レートが、1米ドルあたり100円になっていたとします。日本円に交換すると、手数料1円を減じた1米ドルあたり99円で米ドルを売ることになり、交換後の日本円は16万4340円(1660米ドル×99円)になります。つまり1660米ドル×1円の1660円が為替手数料です。 <為替変動リスクがある> 外貨定期預金は円定期に比べて高金利が付いたとしても、満期時の為替レートによっては元本を下回る可能性があります。 前述の相談者の架空事例(1年間の米ドル建て外貨定期預金)で為替手数料を含めた1年後の損益を見てみましょう。