ステーブルコインの時価総額、市場反発のなか1週間で30億ドル(約4400億円)増
2大ステーブルコイン、テザー社のUSDTとサークル社のUSDCの時価総額(供給量)はこの1週間で約30億ドル(約4400億円、1ドル145円換算)増加。投資家が5日の市場急落後に暗号資産(仮想通貨)を安値で購入しようと急いだことを示している。 オンチェーン分析会社Lookonchainによると、テザー社は5日以降、13億ドル相当のUSDTを取引所やマーケットメーカーに送金した。分析によると、USDTの時価総額は過去最高の1150億ドル超えとなっている。 1.3B $USDT has been transferred from #TetherTreasury to exchanges since the market crash on Aug 5! pic.twitter.com/BYtMqgVRyZ — Lookonchain (@lookonchain) August 9, 2024 時価総額No.2のUSDCもTradingViewのデータによると、今週、時価総額が16億ドル増加し、345億ドルに達した。これは2023年3月以来の高水準。Anagramのリサーチパートナーであるデビッド・シャトルワース(David Shuttleworth)氏はイーサリアム(Ethereum)ネットワーク上のUSDCが13.6億ドルと増加の大半を占め、ソラナ(Solana)上のUSDCは3.56億ドル増加したと指摘した。 増加は、市場が下落した後、顧客が資金を取引所に移動させたことと一致している。DefiLlamaのデータによると、暗号資産取引所バイナンス(Binance)には、5日の下落後の4日間で15億ドル以上のUSDTと8.2億ドル以上のUSDCが入金された。 デジタル資産ブローカーのファルコンX(FalconX)も、買い圧を指摘しており、ヘッジファンド、ベンチャーファンド、リテールアグリゲーター(個人投資家の資金を集めて取引するプラットフォーム)など「ほぼすべての投資家」が買い手となったと述べている。 ステーブルコインは、法定通貨とブロックチェーンベースの市場を結びつけ、取引や貸付のための流動性を提供している。暗号資産市場で重要な役割を果たしており、ステーブルコインの時価総額(供給量)の増加は通常、市場全体の健全性を示すサインとなる。 ステーブルコインの時価総額は、2023年11月から3月にかけて急速に増加し、ビットコイン(BTC)が7万2000ドルを超える史上最高値を記録するなど、暗号資産市場の上昇と一致していた。その後、市場が低迷したため、ステーブルコインの時価総額も数カ月間低迷したが、先月から再び、増加の兆しを見せている。 テザー社のパオロ・アードイノ(Paolo Ardoino)CEOは、ブルームバーグのインタビューで、同社は2025年中頃までにスタッフを倍増し、コンプライアンスなどの分野で人員を強化する予定と述べている。 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:USDTとUSDCのバイナンスへの入金額(DefiLlama)|原文:Tether's USDT and Circle's USDC Combined Supply Grew $3B Amid Crypto Market Rebound
CoinDesk Japan 編集部