サッカー版クライマックスシリーズは実現すべきか
Jリーグの価値を高めるための方策を検討・議論してきた戦略会議(議長・大東和美チェアマン)の中間報告会見が28日、東京・文京区のJFAハウスで行われた。 すでにJ1のシーズンの開催時期を、現状の春秋制からヨーロッパに倣った秋春制へ「然るべき時期に移行する」点で戦略会議、全40のJクラブの社長で形成される実行委員会、最高議決機関である理事会において承認を得ている。 今後はファンがより魅力的に感じるJ1の開催方式に議論が移っていく中で、会見に臨んだJリーグの中西大介・競技事業統括本部長は、戦略会議側から3つのプランを実行委員会に提示していることを明らかにした。3つのプランとは下記の通りだ。 (1)2ステージ制の復活 (2)カンファレンス制の導入 (3)スプリットリーグ方式 (1)の2ステージ制の復活については早い段階で構想が表面化し、世界基準から(2)のカンファレンス制はMLBやNBA、NFLなどに倣ってJ1を3つのカンファレンス(東西などの地域)に分け、上位チームによるトーナメント形式で優勝チームを決める方式。NBAのファイナルやNFLのスーパーボウルは確かに国民的な一大イベントとなるが、Jリーグの場合はJ2との入れ替えもあってチーム編成がその年、その年によって変わる。この点が観る側の大きな混乱を招き、おそらく理解を得られないだろう。 (3)のスプリットリーグ方式は、2種類の方式が考えられている。ひとつは、通常のリーグ戦を行った上で、上位チームだけのリーグ戦を別途行って優勝チームを決めるもの。スコットランドやベルギーで採用されている方式だが、リーグ戦の全34試合を終えた後に、さらにリーグ戦を行うことはスケジュール的にも難しい。 もうひとつの方式は日本のプロ野球に倣い、リーグ戦の上位チームによるトーナメント戦を実施する方式だ。「サッカー版クライマックス・シリーズ」の導入となるが、果たしてファンやサポーターに受け入れられるだろうか。 形式は異なるものの、Jリーグにはひとつの成功例がある。J2は昨シーズンから1位と2位のチームがJ1へ自動昇格する一方で、3位から6位までの4チームがJ1昇格プレーオフに回り、トーナメント戦で勝ち残ったチームが3番目の昇格チームとなる方式を採用した。