川浦龍生がWBO-AP王座を三迫ジムに奪回 輪島功一氏の孫・磯谷大心は両拳痛めるも初の8回戦に勝利
「ボクシング・WBOアジアパシフィックスーパーフライ級タイトルマッチ」(13日、後楽園ホール) 7位の川浦龍生(30)=三迫=が王者・大橋哲朗(25)=真正=を11回2分5秒、TKOで撃破し、4月に同門の中川健太が失った王座を三迫ジムに奪回した。 アドバイスももらった中川がリングサイドで見守る中、4ラウンドから苦手な接近戦に持ち込まれ、ジャッジ3者の採点でも4~8ラウンドを9-10で落としていた川浦だが、9ラウンドから盛り返し、ダメージが徐々に蓄積していた王者に左ストレート一閃(いっせん)。レフェリーがすぐ試合を止め、大橋はタンカで運ばれた。 初のタイトル挑戦だった昨年6月の日本スーパーフライ級タイトルマッチでは、高山涼深(ワタナベ)に4回TKO敗。「『また』はない。絶対に取る」と背水の陣で臨んだ2度目のタイトル挑戦で初めての王座を手にして「ホントにうれしい。初めてのベルトもそうですし、チャンピオンと言われることも初めてで良かった。中川さんに勝ってお返しできたと思う」と喜んだ。 WBA3位、WBO6位、IBF9位の大橋をKOしたことで世界ランク入りも濃厚だが、「まだまだ世界はダメなので、一戦一戦決められた試合を勝っていって、夢である世界チャンピオンを目指して頑張ります」と謙虚に語っていた。 ◇ ◇ セミファイナルでは元WBA・WBC世界スーパーウエルター級王者・輪島功一氏の孫・磯谷大心が、輪島氏がリングサイドで見守る中、初の8回戦に臨んだ。 2ラウンドにラッシュするも仕留めきれず、3ラウンドに左、4ラウンドに右の拳を痛め、ガードを固めて前に出てくる打たれ強い西川に手を焼いたものの、ポイントゲームに気持ちを切り替えて判定3-0で勝利した。拳は「折れているかもしれない」という。 磯谷は「8ラウンド使い切ったことが今回の収穫ですね。ヤバいというところはなかった。8ラウンドの怖さを知ったということはなかった」と苦笑しつつ振り返り、「仕留めきれなかった後の回復の仕方とか、考え直さないといけない」と反省していた。