丹羽大輝と家長昭博が語る復興支援活動への想いと、お互いのこと「全然変わっていない」「むっつりスケベな感じも昔のまま」
とはいえ、スペインにはスペインのいいところがあるように、日本にも日本のいいところはあって、僕は結構、日本も環境は整っているのかなとは思うけどね。もちろん、住んでいる地域、場所によってもさまざまやから一概には言えないけど。 ただ、そのなかでも家庭環境によってサッカーができなかったり、サッカーをするための環境に恵まれない子どもたちがいるのも現実やから、こういう活動を通して、できるだけたくさんの子どもたちに、いろんなきっかけづくりができればいいなって思う。 丹羽 アキがインスタに載せていた『1% FOOTBALL CLUB』のプロジェクトも、そうした環境の提供を目的にした活動だったよね? 家長 そうね。あれも以前、フロンターレに在籍していた森谷賢太郎(サガン鳥栖)に誘ってもらった活動やったけど、今回のように直に子どもたちと触れ合える活動ともまた違ったから。ましてや、地元の子どもたちとサッカーをする機会なんてそうそうないから、(今回は)僕にとっても楽しい時間になった。 丹羽 長岡京の子どもたちにとって、アキはヒーローやからね。みんな、めちゃめちゃ喜んでいたし、かつてのチームメイトや仲間が子どもを連れて参加してくれたり、アキに関わったいろんな関係者の方が会いに来てくれたのを見て、僕もめちゃうれしかった。そういう繋がりを持つきっかけづくりをするのも、NGPの活動目的のひとつだしね。 何より、地元のヒーローのアキがゴールを贈ってくれたとなれば、きっと一生忘れない思い出になる。アキも言うように、こうした時間を通して体を動かす面白さとか、仲間と遊ぶ楽しさとかを知ることが、子どもたちの未来に希望を与えるきっかけのひとつになったらいいなとも思う。 家長 今になって自分の子ども時代を振り返ると、そんなふうに友だちと遊んだ時間や仲間とボールを追いかけた時間がいかに大切やったかってわかるよね。あともうひとつ言うなら、僕の場合は、あの時間は何やったんや? っていうような、何をしていたか説明がつかない時間がすごい貴重やったなって思う。 ――それは、サッカーをしている以外の時間で、ですか? 家長 そうです。たとえば、目的地がないのに自転車をずっと漕いでる、みたいな。山に登ろうとか、川を泳ぐのもそのひとつかもしれないですけど、それって一応意図を持って行動しているじゃないですか? 虫を捕まえるために山に行く、泳ぐために川に行く、みたいに。 それよりもっと無意識でふらっとしている時間というのかな。あてのない、何にも繋がらないような時間が、僕にとっては自分の感性を磨くうえですごく大事やった気がします。 丹羽 深い! そういう時間に磨かれた感性が、アキのサッカーのプレーやアイデアに繋がっているのかもしれないよね! 家長 そんないいもんかはわからんけど(笑)。ほんまに、ただ自転車を漕いでいただけやから。でも僕はサッカーだけじゃなくて、そういう時間もすごく好きやった。自然が近くにあったおかげでもあるけど。 丹羽 わかる! 僕もこの間、地元・河内長野市(大阪府)に帰ったけど、懐かしい場所をいろいろ訪ね歩いて、田舎で育ってよかったと思ったというか。ここの山や川で遊んだなとか、木に登ったな、この川の湧き水を飲んでいたな、って思い出しながら、自然のなかでの遊びや、サッカーを含めたいろんなスポーツでやたらめったら体を動かしていた時間に鍛えられたんやろうなって思った。