【テニスギア講座】ラケットの「パワー系モデル」って、非力な人向け? ハードヒッター向け?<SMASH>
テニスラケットの説明文を読んでいると、よく「パワー」という言葉が出てきます。プレーヤーにとってこの言葉は、とても強い魅力を感じさせるものだからでしょう。 【画像】パワフルにボールをつぶすトッププロのショット。3/1000秒の瞬間を捉えたスーパーインパクト集! パワーという単語は、「強打を好む、高いパワーを持っているプレーヤー向け」として使う場合と、「ラケット自体が強い反発パワーを持っている」という性能説明として使う場合とがあります。同じ言葉を用いながら、両者は全く正反対のことを言っており、前者は「パワフルなプレーヤーのためのラケット」、後者は「非力なプレーヤーのためのラケット」であることを説明しているわけです。 さらに「パワーモデル」という表現は、プレーヤーに焦点を当てて言う場合と、ラケットに焦点を当てて言う場合と、両方に使われることがあります。各社・各媒体で、それぞれに決まりがあるのでしょうが、受け取る側には、とてもわかりにくいものです。 プレーヤー側が強力なスイングパワーを持っているケースで使う「パワーモデル」は、自分自身で十分に振っていけるので、ラケット側のパワーサポートをあまり必要としないという意味を持ちます。「プレーヤー=パワー大」「ラケット=パワー小」ということです。 “薄ラケ”や“フェイス面積の小さいモデル”がこれに当たりますね。どの厚さから薄ラケと言い、どの面積から小さいというかの基準はありません。時代や、ラケット全体の状況によって捉え方が違ってきますし、どっちと判断するか微妙なケースが多々あり、ハッキリ区分することはできないのです。 反対に、女性やベテランといった非力なプレーヤーに向けた「厚い」「軽い」「デカい」高反発系モデルのことを、「パワーモデル」とか「パワー系ラケット」と呼んだりもします。プレーヤー自身のパワー不足を補うために、ラケット側にパワーを持たせたラケット群です。 ちょっと非力でもスイングしやすく、強打しなくてもボールがよく飛んでくれるモデルは、フレームがとても厚く、フェイスサイズが大きな“大型厚ラケ”が象徴的ですね。