日本のPE事業に「大きな伸びしろ」-KKRとブラックストーン
(ブルームバーグ): 米投資会社KKRとブラックストーンの経営トップは、日本のプライベートエクイティー(PE、未公開株)はまだ黎明(れいめい)期にあり、大いに伸びしろがあるとの認識を示した。
KKRのジョー・ベイ共同最高経営責任者(CEO)は23日、ブルームバーグがニューヨークで主催した岸田文雄首相との公開討論で「近頃の投資家にとって日本は必須の投資先だ」と発言。KKRでは米国に次ぐ資本の振り向け先が日本だと述べた。
ディールメーカーが銀行主導に代わる資金調達手段を見いだすのに伴い、日本への投資は活気を増すだろうとベイ氏は話した。
ブラックストーンのジョン・グレイ社長は日本の金融開国が同社の投資を呼び込んでいると指摘。米国や欧州に比べれば投資環境がさほど混み合っていないことも魅力だという。ブラックストーンは向こう3年で日本の不動産と企業に約200億ドル(約2兆8700億円)を投資する見通しだと述べた。これは同社にとって「顕著」な動きであり、日本の開放政策を反映しているという。
公開討論で岸田首相の隣に座ったKKRのベイ氏は、市場改革の継続が日本への投資熱を長期に維持するとの見方を示した。PE企業が日本との関係を深化させる一つの方法として、日本の保険会社との提携を挙げた。
日本には13兆ドル相当の預金と年金残高があり、保有者が受け取るリターンは低いとベイ氏。このマネーが他の投資に向けられる可能性は、資産運用業界にとってはチャンスだと述べた。
日本は米国に次ぐ世界2位の年金市場であり、KKRはすでに複数の日本の保険会社と提携している。
原題:KKR, Blackstone Executives Tout Japan as Next Big Opportunity(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Dawn Lim, Allison McNeely