シロアゴガエルの生息域拡大 徳之島希少野生生物保護対策協 外来種対策など協議
奄美群島希少野生生物保護対策協議会(会長・川瀬翼県自然保護課長)の徳之島地区の会合が1日、鹿児島県天城町役場であった。環境省、県、島内3町などから22人が出席。国の特別天然記念物アマミノクロウサギなどの希少野生動物のロードキル(交通事故死)や、徳之島で繁殖している特定外来生物のシロアゴガエルなどの対策について意見を交わした。 同協議会は奄美群島の世界自然遺産登録地としての価値の維持と改善を図る目的で設置。会合では各機関から2023年度、24年度の取り組みが報告されたほか、▽外来種対策▽密猟・盗掘防止対策▽ロードキル対策―について協議した。 23年5月に徳之島での繁殖が確認されたシロアゴガエルは今年度、7月時点で島内の54カ所(前年度比14カ所増)で確認されている。このうち、繁殖に適した沈砂池など、対策が必要な地点は45カ所(同10カ所増)となっており、生息地が拡大していることを報告。モニタリング調査は3町、成体の捕獲と泡巣の回収は環境省、塩素剤を用いた幼生の駆除は県-と分担して対策する方針を示した。 今年(1月1日~7月26日)に環境省が回収したアマミノクロウサギの死骸39体のうち、ロードキルによるものは20件。うち県道618号松原轟木線で7件、県道629号の手々集落から山集落にかけての範囲で5件発生。前年同時期とほぼ同数であることを報告した。 意見交換では、スマートフォンで撮影すると撮影場所の位置情報が記録され、インターネットで共有されるアプリについて問題提起があり、便利な半面、盗掘や密猟に利用される恐れがあるため、「ネットパトロールなどの対策が必要」との意見が上がった。