バテやすい人に共通の歩き方の特徴とは? 「本当にあった」に学ぶ、登山のリスクヘッジ【vol.03 歩き方編】
バテないように歩くための3つのポイント
山道というのは基本的に不整地なので、「一歩ずつ丁寧に足を運ぶ」ことが基本です。 登りでも下りでも、足を置く場所をしっかりと確認しながら歩きます。急斜面や岩場など、安定して足が置ける場所が限られていると、数歩先までを見通しておかないと、不自然な態勢になってしまうこともあります。 不整地を安定して歩くためには、セオリーがあります。 ●よい姿勢をキープする 疲れて前かがみになったりすると、よけいな筋力を使ってしまうので、上体をしっかりと起こし、鉛直方向にまっすぐ立つのが基本です。重力に逆らわないことで、無駄な筋力を使わずに済むのです。 ●歩幅は小さく 歩幅が大きいと、よけいな筋力を使ってしまいます。 舗装道のウォーキングでは、ストライドを大きくとってリズミカルに歩く方が効率的なのですが、足元の状況が一定せず、傾斜があったり、滑りやすい箇所があったりする山道では、なるべく歩幅を小さくする方が安定して歩けるのです。 急な段差などで、大きく足を上げ下げしないといけない場合もありますが、なるべく重心を自然に移動させることを意識し、スタティックに動くのがポイントです。 ●足裏全体に荷重する 斜面を歩くとき、靴底の接地面が小さいと、せっかく高性能な登山靴をはいていても、ソールのフリクションを活用することができず、スリップしやすくなります。 イメージとしては、靴底のパターン全体を、しっかりと地面に食い込ませるような意識で歩くとよいでしょう。
体勢を安定させ楽に歩くためのツール
二足歩行は人類の得意技ではあるのですが、足場が不安定な場所や、急な登り下りで歩行をサポートしてくれる便利なツールが、トレッキングポールです。 手すりほどではないにしろ、ちょっと支えがあるだけで、安定した歩行ができます。バランスをとるだけではなく、積極的に推進力として腕の力を動員するような歩き方もできます。 慣れないうちは、うまく使えないという人もいますが、上手に使えばまるで四つ足動物のように、四肢をしっかりと活用できるので、ぜひ使ってみてください。 できるだけ楽に歩くすべを身につけ、疲れを残さず、楽しい山歩きを満喫しましょう。
根岸真理