釣りのロケでも「私、釣りって嫌~い」と平気で話す飯島直子…「男1・女2」のジンクスを破って番組がヒットした理由
90年代に出演した缶コーヒーCMをきっかけに大ブレイクし、「元祖・癒し系」と言われた飯島直子さん。 【写真】56歳でもこの出で立ち!チェック柄のスーツを着こなす中山秀征さんを見る 中山秀征さん、松本明子さんと共演したバラエティ番組『DAISUKI!』は9年も続く人気の深夜番組だったが、斬新さゆえに当初は「テレビで遊んでいるだけ」と業界人から批判されただけでなく、男1人&女2人の組み合わせは「当たらない」というジンクスまであったそうだ。 それらをすべて跳ね除け、番組がヒットした理由が中山さんの著書『いばらない生き方 テレビタレントの仕事術』(新潮社)で明かされている。 飯島さんの“正直すぎる”姿勢や、松本さんのマイペースさに翻弄されっぱなしだった中山さんが考える成功の秘訣とは。芸能生活を振り返りながら中山さんの人生観が語られる同書から、紐解いてみよう。
当たらないと言われた「男1・女2」の組み合わせ
2022年、BS日テレで22年ぶりに『DAISUKI!』の復活特番が放送され、その後も、不定期ながら特番として何度か放送されています。松本さん、ナオちゃんとのロケは、どれだけ久しぶりでも、故郷に帰ってきたような安心感があります。 2人との出会いは「運命的」としか言えないのですが、実は90年代初めのテレビ業界では、男1人&女2人の組み合わせは「当たらない」と言われていました。 理由はハッキリと分からないのですが、いわゆるジェンダーバイアス(性別役割による固定観念)かと。意図していなくても、男性が女性を従えているような構図に見えてしまったのかもしれません。 ところが『DAISUKI!』での3人の「構図」は全く違いました。 ナオちゃんは、釣りのロケで「私、釣りって嫌~い」「つまんない」とか平気で言っちゃう人。テレビの常識は「つまらなくても、一生懸命やるのがプロ」だけど、日常ならこんな状況はある。日常感を大切にする『DAISUKI!』なら、こんな正直すぎる発言もアリなんです。 そして、一方の松本さんは、爆弾発言をフォローするでもなく、マイペースに釣りを始めちゃう。「ナオちゃん釣り嫌いって……。え? 松本さ~ん?」と、2人に翻弄されっぱなしの中山。自分を“曲げない”ナオちゃんと、自分が面白いと思った方に“曲がって行く”松本さんとの間で、3人は常に「1・2」「2・1」、時には「1・1・1」の関係になりました。仲はいいけれど、全員が同じ方向を向いている状態はめったにないんです。 当時20代だった男女3人が腕を組んで歩いていても、変にベタベタした感じに見えなかったのは、一緒にいるのに同じ方を向かない「3人の構図」にもあったと思います。もっとも、腕を組んでいたのは、松本さんの視力が悪く、危険防止のために人の腕をつかむ癖があった、という理由もありますが……。