約7.7億円は「ミウラ」史上最高額!? ジェイ・ケイの元愛車だった「P400SV」は右ハンに改造されていた…数奇なヒストリーを紹介します
これまでのヒストリーファイル付き
さらにその次のオーナーが2016年にこのクルマを入手し、レストアの完了を監督したのち、このミウラSVは「The Dare to Dream Collection」の一角に加わり、もっとも貴重な目玉の1台として現在に至っている。 レストア完了後、ほとんど使用されることなくコレクションに保管されていたため、全体を通してコンクール級の素晴らしいコンディションが保たれている。また、1980年代までさかのぼるレストアの請求書や、前オーナーやそのサービス施設との詳細なやり取りなど、とくに印象的なヒストリーファイルとともに提供される。 このミウラSVの典型例のような個体に、RMサザビーズ北米本社は275万ドル~350万ドル(約4億2540万円~5億4170万円)という、今なお継続しているミウラ人気を裏打ちするようなエスティメート(推定落札価格)を設定した。 ところで、今回の「The Dare to Dream Collection」オークションは、すべて「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」形式で行われるというのが前提条件。したがって、たとえ入札が希望価格に到達しなくても落札されてしまう可能性もある。 しかも、エスティメートの段階からけっこう高価だったこともあって、「リザーヴなし」ではしばしば起こりうる安価な落札も出品者サイドでは危惧しただろうが、極上のミウラSVが叩き売りされるなんて虫の良い話はあり得なかったようで、競売が終わってみればエスティメート上限を大幅に上回る490万ドルで落札されるに至った。 このハンマープライスを現在のレートで日本円に換算すれば、約7億7200万円という恐るべきもの。そして公の場で販売されたミウラP400SVの価格としては、史上最高値を更新したのである。
武田公実(TAKEDA Hiromi)