勉強はいじめられないための"防具"だった…発達障害の息子が小学6年間「先取り学習」をした驚きの結果
発達障害のある子どもは、学校での勉強に集中することがなかなか難しい。アナウンサーの赤平大さんは、息子と小学1年生から「先取り学習」をしてきた。その理由は「息子がいじめられないために、勉強が身を守る“防具”になるかもしれないと思っていたから」という――。(第2回/全3回) 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、赤平大『たった3つのMBA戦略を使ったら発達障害の息子が麻布中学に合格した話。』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。 ■市販の副読本や問題集を使った「先取り学習」 小学1年生からずっと国語、算数、理科、社会のすべてを教えてきました。でも、私が行ったことはシンプルで、特別な学習メソッドではありません。 いわゆる「先取り学習」。学校の授業よりも先に、家庭でどんどん単元を学んでいくという学習スタイルなので、在籍している学年を飛び越えて――小学1年生で2年生の単元を学んだりしてもOKです。先取っておけば、たとえ授業に集中できなかったとしても、勉強についていけなくなる危険性はグッと少なくできます。 また結果論ですが、付きっ切りで教えることで息子が「何が得意か、苦手か」「どこが理解できているか、いないか」を私も細かく正確に掴むことができました。 私が息子の弱点を知っているので、効率的、効果的な復習ができていたと思います。 使用した教材も特別なものではなく、書店で売っていた教科書準拠の副読本や問題集でした。教材の使い方も、この通りオーソドックスです。 ---------- ① 問題集のページをコピーして、制限時間を決めて解答させる。 ② 解答を私がチェック。間違った箇所に印を付ける。 ③ しばらく時間を置いて、もう一度同じページを解答させる。 ----------
■現在も続けている毎朝10分の「新聞タイム」 また、毎日のルーティンとして、朝の同じ時間に10分間の「新聞を読む」時間を作っていました。世の中のニュースをはじめスポーツ、芸術、歴史、自然科学……さまざまな情報に無作為に触れさせるためで、小学校6年間は『朝日小学生新聞』、中学生になった現在は『日本経済新聞』を読んでいます。 これは、すでに実績や効果が証明されている発達障害教育や才能教育の知識をベースにした取り組みです。 このように、教材や勉強方法は一般的なアプローチでしたが、少しだけ独特だったかもしれないのは、徹底的に発達障害向けに“アレンジ”したことです。発達障害動画メディア『インクルボックス』の活動の中で身についた知識が、ここでも役に立ちました。 発達障害の療育では基本中の基本として教わる、本人の「発達特性に合った学習環境の調整」を何度もトライ&エラーで確認、実践していきました。 ■目標は「小学生テスト」で“成績優秀者” さて、息子は朝の1時間とスキマ時間で、コツコツ先取り学習を進め、算数に関しては小学2年生の時点で、6年生の内容まで終えていました。 「全部やり終えてしまったけど……次に使う教材はどうしよう?」 息子は小学1年生の時から、「全国統一小学生テスト」を受けていました。ある日、たまたまテストを運営する進学塾・四谷大塚のホームページにいろいろな教材や問題集があるのを見つけました。試しに1つ上の学年の4年生向けの難易度が高い算数の教材を取り寄せてみると、今まで使っていた教科書準拠の教材よりも面白く、解説が丁寧でした。 「これは、息子のやる気を引き出すのにちょうど良いかも」 すぐに全科目分を取り寄せて、3年生の時から切り替えて毎日取り組み始めました。 ですから、今考えるとある意味、この時から息子は中学受験の勉強を開始していたのかもしれません。ただ、この時は私も息子も中学受験なんてまったく考えていませんでした。頭の片隅にもありませんでした。 当時、私達が目標にしていたのは、「『小学生テスト』で“成績優秀者”になる」ということでした。当時の「小学生テスト」では全国で上位50位以内になると、成績優秀者として公式サイト上で名前が発表されました。さらにトップ30位に入ると、iPadが貰えたりアメリカの名門大学の視察旅行といった副賞が貰えることになっていました。