新たな脅威“ローンオフェンダー”警視庁が対策強化【#きっかけ解説】
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ニュースのその先を考える記者解説。28日のテーマは「新たな脅威“ローンオフェンダー”」です。社会部・警視庁担当の安藤翔記者の解説です。【#きっかけ解説】
──「ローンオフェンダー」という言葉、まだまだ日常的には聞きなじみのない言葉ですよね。 ローンオフェンダーの言葉の意味をみていきますと、単独を意味する「lone」と、攻撃者を意味する「offender」、この2つが組み合わさった言葉で、警察庁は「特定のテロ組織などと関わりがないまま、過激化した個人」などと定義しています。 こうしたローンオフェンダーによるものとされる事件が起きていて、警察も警戒を高めています。
──ローンオフェンダーによるものとされる事件、実際どういった事件が起きているのでしょうか 10月19日、早朝に東京・永田町の自民党本部に火炎瓶が投げ込まれた後、総理官邸に向けて車が突っ込む事件が起きました。警視庁は容疑者の男を公務執行妨害の疑いで逮捕し、その後、警察官への殺人未遂などの疑いで再逮捕しています。 警視庁は「ローンオフェンダー性があるとみて捜査している」と警視庁としては初めて、ローンオフェンダーに関して、言及をしました。 また、おととしの安倍元総理が奈良県で銃撃された事件も、ローンオフェンダーによるものとされています。 ──個人での犯行となると対策が難しくなりそうですね。 ローンオフェンダーは準備から実行までを1人で行うため、事件の予兆をつかみにくいのが特徴です。この新たな脅威に対応するため、警視庁公安部は来年春、組織改編をすることにしました。
現在、警視庁公安部は国内の事案に関して各部門を分けて対応していて、ローンオフェンダーについては、公安総務課が、カルト団体などへの捜査と兼務する形で担当しています。 ただ、来春からは極左の過激派などを担当する公安一課と二課が統合し、新・公安一課に。右翼対策を担当している公安三課が、新・公安二課になります。そして、新・公安三課がローンオフェンダーの対策課となります。