2024年後半の成功作・失敗作…期待のヒーロー映画で残酷なほど明暗
ほかには、イーライ・ロス監督の『ボーダーランズ』が、ケイト・ブランシェット、ケヴィン・ハート、ジェイミー・リー・カーティス、ジャック・ブラック、エドガー・ラミレスという豪華キャストを誇るにもかかわらず、撃沈した。製作費は1億1,500万ドル(約178億円)、全世界興収は現在までに3,200万ドル(約50億円)。
大失敗とは言えないながら、もうちょっと行ってくれると思われたのにという、中途半端な作品もある。たとえば、『ライオン・キング:ムファサ』。公開されたばかりなのでまだ最終の数字はわからないが、製作費2億ドル(約310億円)に対し現在の全世界興収1億9,700万ドル(約305億円)というのは、かなり遅いペースだ。1994年のオリジナルアニメーション『ライオン・キング』とジョン・ファヴローが監督した2019年の超実写版は全世界でそれぞれ9億8,100万ドル(約1,520億円)、16億6200万ドル(約2,576億円)を売り上げたが、そこに到達するとは到底思えない。
やはり人気シリーズの新作である『トランスフォーマー/ONE』も、大きなファンの支持を得られなかった。アニメーション版である本作の製作費は7,500万ドル(約116億円)とそう高くなく、全世界興収は1億2,900万ドル(約200億円)なのでコケたとも言えないのだが、賞レースからも完全に離れてしまっており、フランチャイズの拡大には至らなかった。
そして、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』。全世界で4億ドル(約620億円)の売り上げを出しているのは十分立派ながら、製作費が2億5,000万ドル(約388億円)もかかっているためあまり利益は出ていない。リドリー・スコット監督は3作目にも意欲を示しているが、果たして実現するのか。スコット監督はもう87歳。今すぐの決断が待たれる。