ガザ機密情報流出、首相側近も関与か イスラエル当局が調査
[リションレツィオン(イスラエル) 3日 ロイター] - イスラエル当局が、パレスチナ自治区ガザに関する機密文書が流出した問題を調査している。ネタニヤフ首相の側近も関与しているとされ、人質の家族から非難の声が上がるなど波紋が広がっている。 この問題は政府内でかん口令が敷かれたためこれまでほとんど分かっていなかった。しかしイスラエル紙ハアレツなどがリションレツィオンの裁判所にかん口令の解除を申し立てた。裁判所は3日、かん口令の一部解除を決定。「イスラエル軍のシステムから機密情報が不法に持ち出された」とし、安全保障上の情報源が危険にさらされ、人質解放の取り組みを阻害した可能性があると指摘した。 容疑者は4人で、うち1人が首相官邸の報道官、3人は治安当局のメンバーとされる。 ネタニヤフ首相は官邸職員による不正行為を否定している。2日には、メディアの報道で問題を知ったと述べた。 ハアレツによると、問題の文書の詳細は9月6日に独紙ビルトが報道した。イスラム組織ハマスの交渉戦略を概説したものという。その頃、イスラエルとハマスは米国、カタール、エジプトの仲介で停戦交渉をしていた。しかし交渉は双方の非難の応酬により暗礁に乗り上げた。記事は、交渉とん挫を巡るネタニヤフ氏のハマス批判とほぼ一致する。 ハアレツによれば、裁判所は3日、イスラエルの情報機関(シンベット)、警察、軍による調査に関する審理で、容疑者1人の釈放を命じた。その他の容疑者は勾留されているという。 ビルトは、調査に関する取材に対し、情報源についてはコメントしないとした上で「われわれが把握した文書の信憑性は、公表直後にイスラエル軍によって確認された」と述べた。 人質の一部家族は2日、イスラエルのジャーナリストとともに情報公開を訴えた。 ある家族の弁護士は「この人たちは、噂と半分真実が渦巻く中で生きてきた。この1年間、人質解放交渉に関する情報を待ち続けてきた。もしその情報の一部が軍から盗まれたのであれば、家族は詳細を知る権利がある」と述べた。