電動キックボード「LUUP」なぜ躍進? 購入トレンドは「特定小型原付」より「原付一種」!? 乗るとわかるLUUPのストレスとは
●LUUP一強となった理由とは?
一方、電動キックボードの個人所有の領域=販売市場も法改正が追い風になっています。特定小型原付を扱うメーカーや販売会社が加盟する業界団体「JEMPA(ジェムパ)」(一般社団法人日本電動モビリティ推進協会)によると、加盟社が扱う原付1種・2種、特定小型原付の車両販売数は21年の5520台から、23年には9200台まで急増。 そのなかに占める、電動キックボード(特定小型原付)の販売台数は5010台と過半数を占め、躍進しました。 この1年で大きく拡大した電動キックボード市場ですが、事業者の参入状況では「シェアリング」と「販売」で好対照な動向が見られます。和歌山市に本社・工場を置くJEMPA加盟のメーカー「glafit」の鳴海禎造代表(兼・JEMPA代表理事)がこう話します。 「(主にメーカーと販売会社が加盟する)JEMPAの加盟社数は20年の設立当初で5社でしたが、法改正後は毎月1社ずつ加盟申請があるような状況で、現在は約20社に。非加盟社も数多く存在し、製造・販売分野の事業者数は何倍にも膨れ上がっています」 今年に入り、店頭での電動キックボードの取り扱いを始めたオートバックスセブンなど大手企業が参入する動きがあるのも販売市場の特色です。 一方のシェアリング市場は「法改正前まで5、6社が業界団体にも属する主要なプレーヤーとして活動していましたが、事業撤退が相次ぎ、今ではLUUPが市場をほぼ独占する状況にある」(鳴海氏)のが実情ですが、なぜ、LUUP〝一強〟の構図に……? 「LUUPは、国の実証事業の認可取得といった局面で業界内でも先行していました。また、他社が『マナー違反、交通違反の温床になる恐れがある』と二の足を踏んでいた訪日外国人向けのサービス展開も、アプリを英語対応にするなど、いわばアクセルを踏み切る形で一気に進めた。スピーディーな経営判断と思い切った資本投下が〝LUUP一強〟の構図を生む要因のひとつだったと感じます」(鳴海氏)