「動画ばかりでは退屈を過ごす力が養われない」という先生の言葉に共感しかない!子どものゲーム問題で悩む、俳優加藤貴子が専門家に聞く
動画ばかりでは退屈を過ごす力が養えない
加藤 家族で出かけるとき、大人が食事をしている間や、電車に乗っている間など、小さい子がタブレットを見ている状況が多く見られる気がします。 森山 病院の待ち時間とか、新幹線移動のときとか、長時間静かにすることが求められるシチュエーションで、アニメや動画を見せるというのはやむを得ない面もありますよね。便利な子育てツールとして使う分には、いいと思うんです。 たとえば、うちの下の子は美容院で髪を切るのがすごく嫌いなんです。数カ月に1回美容院に行くときには、大好きな恐竜の動画を見せて気を紛らわせて、髪を切ってもらっています。 ただ、食事に行くたびに毎回動画を見せるとか、外出するときにベビーカーにスマホを取り付けて動画を見せる、ということが習慣化してしまうと、退屈だな、ひまだな、という感覚を自分の中でどう処理するのかを学ぶ機会がなくなってしまいます。将来的にスマホがないと退屈をしのげなくなってしまうことは心配です。 加藤 退屈を楽しく過ごす力が養われなくなってしまうんですね。 森山 子どもはひまだからこれをやってみよう、あれをやってみよう、という選択肢を持っていないですよね。幼少期の子どもに、遊びのレパートリーをいかに増やしてあげるかということは子どもの脳の発達の上でとても大事だと思います。 とくに未就学の時期、幼児期は脳の発達が著しく成長発達する時期です。さまざまなものを見て触れて、神経回路が形成されます。手を使って遊んだり、五感を使ったりする刺激が入ってこないと、成長発達に影響を与える可能性もあります。幼児期にこそ親子でのさまざまな体験を大切にしてほしいなと思います。 加藤 タブレットを見せる前に、親が工夫できることはありますか? 森山 スマホは最終手段にして、折り紙やお絵かき帳や図鑑など、子どもが好きな遊び道具をいくつか持って行くといいかもしれません。ある程度の時間をつぶせそうなグッズをいろいろ試して選択肢を持っておくといいと思います。