母親の「ごめんなさい」を減らしたい 「こんな子を公園に連れて来ないで」の声をきっかけに障がい児専用の公園を作った経営者に迫る
「夢は廃業」にこめた想い
新田さんは現在、放課後等デイサービスを5店舗経営すると同時に、町立の学童を運営している。こちらでは環境を整備し、障がいのある子どもたちをどんどん受け入れているそうだ。 いままでは放課後等デイサービスの利用をすすめていた子どもも、人員を確保して体制を整えることで受け入れを可能にしている。小学校から学童まで距離があるのでスクールバスを導入したり、トラブルが少なくなるように入館システムを取り入れたりした。当たり前にやってほしいと思うことを、やっているだけだと新田さんは言う。 「いかにお父さんやお母さんが楽になるか、便利になるか。そういう考えの人が増えればいいですね。本来、放課後等デイサービスのような民間業者が儲かるのはおかしいこと。学童や地域で障がいのあるお子さんを支えられたら、必要ないんです。そういった意味で廃業になるのが理想形ですね」 社会が変容し、もっとおおらかになって、たくさんの選択肢から自由に選べる世の中に。見栄を張るよりも生きたお金の使い方をしたい、お父さんやお母さんの味方でありたいと力強く語る。そんな新田さんに救われる親子は、きっとこれからも多いだろう。
青原 もも