ホンダ「アクティトラック」に5コイチエンジン搭載! ミッドシップゆえに爆速となったレース仕様の魔改造軽トラは、もとバイクのトランポ!?
パーツの少なさに苦労するが、バイクの知識を活用して乗り切る
こうなると燃えてしまう! だったらと、自分のアクティトラックのポテンシャルを高めるべくサーキット仕様としてのチューニングを開始。だが、現実はベースとなるアクティトラックに厳しく、“ナナサキ”さんは少しだけ途方に暮れる……。 いざチューニングを開始しようとするも、人気車種であるキャリイと違って、軽トラ界でマイナーなアクティは、ほとんどアフターパーツが存在していないことが判明。そこで気持ちを切り替え、バイクいじりで培ったメカの知識を武器に他車種からの流用チューンでなんとかする方法を模索。純正のままでは、まったくパワーが足りず、また、サスペンションもプアでギア比にも問題を抱えて失速する、といった欠点をひとつずつ解決するチューニングをあみ出した。 幸いなことにアクティトラックは、軽トラで唯一のミッドシップ・レイアウト車なので、ハンドリングとトラクションのかかりは良い。広報資料によると、もともとホンダの考えは、スポーティな操縦性を狙ったわけではなく、荷台スペースを広くフラットにするための合理的な設計というのが理由だった。しかし、その構造を採用した結果、重量配分はナナサキさんの3代目アクティトラックでは前49:後51を実現。このバランスの良さによって、空荷でも後輪にしっかりと荷重が加わり、優れたトラクション効果を引き出した。また、ミッドシップによって、ウネリのある路面など、滑りやすい場面でも後輪が空転する心配は少なくなるメリットも生み出されていた。
ミッドシップのメリットが存分に発揮される
当然サーキット仕様ともなれば軽量化を行う。軽トラの荷台に取り付けられたアオリ等は取り外すわけだが、これによって他の車種は、よりフロントヘビーなクルマになってしまうが、ミッドシップのアクティトラックだけは、むしろ程よい前後重量バランスになるわけだ。 “ナナサキ”さんはその点を考えて、パーツが少なくてイジりにくいアクティを、あえて手放さず、純正の持ち味を活かすチューニングによってポテンシャルを高める手法をとった。ただ彼はこうも言う。 「まぁ、これについてはライバルである同級生と同じクルマにしたんじゃ面白くないですから」 あえての別車種で勝負に挑む。その意気込みはインタビュー中にも強く感じた。
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