セブンがまさかの「宅配ピザ」サービスを開始!? “焼き立てを最短20分で配送”に大手宅配ピザチェーンも戦々恐々!?
なぜ最短20分の宅配が実現できるのか
「7NOW」は、店内のほぼすべてである約3000商品を専用のアプリやウェブサイトから注文できるサービス。集荷・配達はセブンが連携する配送業者が担い、配送料金は税込110~550円。最低注文金額は1000円(税抜)で、注文受付は9時30分~22時15分を原則としエリアによって異なる。 「7NOW」は約16,000店舗で展開している(2024年8月時点)が、もともとは2017年に「セブン‐イレブンネットコンビニ」という名称で、一部店舗でテストという形でスタートした。 当時は最短2時間以降の時間枠からお届け時間を選べるサービスで、時間を指定して注文する方式だったが、もっと早く届けてほしいという声が多かったようだ。 コンビニは、気軽に食事を購入したい時や、雑貨などが急に必要になったときなどに、欲しいものが「すぐに手に入る」機能が重要視されている。届ける時間が長いと当然、コンビニに求められているベストな価値を提供できない。 その課題を解決した要因のひとつが、2020年からの「リアルタイム在庫連携」だ。店舗の在庫状況がリアルタイムで注文画面に反映される仕組みで、欠品した商品は表示されないため、「注文したのに無かった」という事態も回避できる。 また、配送業者とマッチングする仕組みも構築。配達員不足解消の背景には、コロナ禍より急激に普及したフードデリバリーサービスの後押しもあっただろう。 このような取り組みにより「7NOW」という配達インフラが構築され、その結果、数ある商品のうちのひとつとして「ピザ」も最短20分で届けられるようになった。別々に始まった2つのプロジェクトが交わる形で、実現したサービスが「宅配ピザ」というわけだ。
ピザ宅配大手を上回る店舗網
「宅配ピザ」のサービスはライバルとなるピザ宅配大手も多い。セブンはあくまでコンビニであり、ピザを主軸にした他社と比較すると、現時点では商品ラインナップも及ばない。ただし、コンビニだからこそ差別化できるポイントがある。 「焼きたてピザとともにジュースやアルコール、アイスや揚げ物といった食品や飲料品と組み合わせて注文ができます。更に、ティッシュやシャンプーといった日用品も購入できますし、約3,000商品と同時に注文できるのが強みです」 7NOWで一度にモノが買われる点数の平均は現状で約8.5点と、店頭に比較すると2.7倍も多い。せっかく配送してもらうのだからと、まとめ買いをするケースが多いのだろう。「ピザのついでに生活用品を注文する」といった意外性のある使い方も想定できるのは、コンビニが提供する「宅配ピザ」ならではだ。 また、今後は圧倒的な店舗網も強みになる可能性がある。現在、焼きたてピザを提供する店舗は限られているが、全国に約20,000店あるセブンで展開ができれば、いずれは大手宅配ピザ業者がカバーしきれない地域への配送もできる。 「現在、焼きたてピザは200店舗のみでの提供ですが、テストを重ねながら徐々に増やすことも検討してまいります。ぜひ多くのお客様に焼きたての美味しいピザを味わっていただきたい」 これまでも、ドローンを利用した配送の実証実験が行われてきた。実現すれば、離島や郊外エリアといった配送が困難なエリアでもサービスを利用できるようになるだろう。いつでもどこでも、本格的な焼き立てピザが気軽に食べられる日は近いのかもしれない。 取材・文/福永洋一
集英社オンライン編集部