大切にしているのは「相手が一番、自分は二番」…芸歴45年「コロッケ」が明かすものまね芸人の極意「絶対にダメなのは自己満足です」
2025年でデビュー45周年を迎える、ものまねタレントのコロッケ(64)。見る者を笑わさずにはおかない、あの超面白いものまねはどうやって生み出されるのか? ものまねに対する取り組み、芸へのこだわりを本人に聞いた(全3回の第2回) 【写真】お正月にピッタリ! ご存じコロッケの“七変化”!!
ものまねが本当に好き
「前にお会いした時より、めちゃめちゃネタは増えていますよ」 と笑うコロッケだが、そのネタ作りについて聞いてみた。 「僕はものまねが本当に好きなんです。ただ、ネタを作る時には、今この人が流行っているからものまねしようという考えは一切ありません。自分で気になる人の喋り方とか、歌い方とか表情や衣装をよく観察して、その人はこんな考え方をしているんじゃないかと考えるんです。本当はそんな人ではないのに、(ものまねの対象となる人は)こういう人なのかな――これがコロッケのものまねのベースです」 走りながら歌う岩崎宏美、鼻をほじる野口五郎、歌詞の合間に「アーン!」と叫ぶ美川憲一……実際はそうではないのだが、コロッケの味付けが入ることで、それらしく見えてしまう。 「その人がやりそうでやらないことを、たまたまコロッケ流としてやり続けてきたことが形となり、ハマっていったんですね。ただ、美川さんからは今でも『私はアーン! なんて言ってないわよ』と言われますけど(笑)。あと、野口さんが鼻をほじるのも毎回、パターンを変えています。右手、左手、右手と見せて左手。右手でいって寸前で止めるとか(笑)」 実は、ものまね“される”方にもいいことがある。コロッケのものまねで、その歌手を知り、さらに歌を聴くようになってファンになる若い世代が多いという。そういえば、コロッケが80年代に登場した頃、ピーター(本名・池畑慎之介「夜と朝のあいだに」)や、美川憲一(「さそり座の女」)を知ることになったきっかけが、コロッケのものまねだったという人も多いのではないだろうか。 「ものまね芸人の極意は、独りよがりにならないこと。最近は歌唱力があり、本当にうまく本人のように歌をまねる人も出てきました。でも『オレの歌、どうよ?』と、自分に酔いしれているような人たちは、ものまね番組から声がかかっても、他からお呼びがかからなくなる。淘汰されていくんです。自己満足のものまねは絶対にダメ。お客様が喜んでくれるものを大切にしないと。“相手が一番、自分は二番”これも、コロッケのセオリーです(笑)」