Apple「年収4,500万円」の基本給で生成AI専門人材を採用!? 背景には競合他社への焦りが? 専門家が解説
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。3月27日(水)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「Apple、生成AI専門の人材を年収4,500万円で採用 その背景は?」。情報社会学が専門の城西大学 助教・塚越健司さんに解説していただきました。
◆生成AI分野に力を入れたいApple 破格の基本給で技術者獲得へ動く
アメリカのAppleが、生成AIの分野で巻き返しに動いています。生成AI専門の人材には、年4,500万円近い基本給を提示して、獲得に力を入れているということです。 吉田:塚越さん、まずはこの「年収4,500万円の人材」について詳しく教えてください。 塚越:日経新聞の記事では、Appleは生成AIに詳しい技術者に年17万~30万ドル(約2,550万~4,500万円)の基本給を示して、ライバルの引き抜きにも力を入れると報道しています。アメリカのIT業界とはいえ、やはり高額ですよね。 実はAppleは2月28日(※現地時間)の株主総会で生成AIに力を入れると強調しています。Appleは秘密主義で開発中のプロジェクトを公に口にすることはないので、珍しいことです。逆に言えば、「焦っている」とも言えます。というのも、MicrosoftやGoogleといった大企業が生成AIの開発を進める一方、Appleはこの分野で一歩遅れています。音声検索のSiriに生成AIの機能をつけた話などは聞かないですよね。 ユージ:確かに、Siriという機能だけで見ると(実装が)早かった印象はありますが、そこからの広がりがあまりないですよね。 塚越:最近の生成AIの開発は、文章だけでなく画像や音声、動画といった複数のデータを同時に処理できる「マルチモーダル」という技術が注目されています。例えば生成AIに料理の画像を見せて「レシピを教えて」と言うと料理のレシピを教えてくれたり、「ちょい足し」するとおいしい調味料を教えてくれたりなど、画像を見ていろいろと考えてくれるのがマルチモーダルです。 こういった機能は生成AIに求められている機能ですが、Googleが発表した「Gemini(ジェミニ)」という生成AIモデルは、まさにこのマルチモーダルをアピールしています。