“国難”でも利害優先の愚かなカルチョ【ワールドサッカーダイジェストのザ・ジャーナリスティック】
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3月8日のイタリア・ダービーは、無観客で開催。この試合でベンチに入っていたルガーニが、セリエA選手では初の感染者となり、ユーベはCLベスト16第2レグ(リヨン戦)が延期に。(C) Getty Images
新型コロナウイルスが拡大中のイタリアでは、試合の開催有無を巡って紆余曲折が繰り広げられた。いわば「国難」に陥っている中でも、経済的利害ばかりを優先しようとした愚かなカルチョには、改めて呆れるしかない。(文:マウリツィオ・クロゼッティ/訳:片野道郎 2020年3月19日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イタリア』を転載) ―――◆―――◆――― イタリアにおける新型コロナウイルスとの戦いは、深刻さを増す一方だ。 政府は3月9日夜に首相令を公布。前日に決めた北部ロンバルディア州全域と周辺4州の一部地域を対象にした、外出・移動の禁止をはじめ個人の自由を大きく制限する厳しい感染防止措置を、国全土にまで拡大している。 イタリアがこれだけ厳しい状況に直面するのは、第二次世界大戦以来だ。当時と違うのは、戦うべき敵がまったく目に見えないウイルスだ
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