フェラガモ一族経営で話題のホテルから老舗旅館まで!超高級マンションのリノベ専門の人気建築家が気になるホテル、宿は?
都心を中心に高級マンションのリノベーションに特化した設計・デザインを手掛ける建築家の各務謙司さん。ニューヨークの建築事務所で修業経験を経て独立。プレミアムなマンションのリノベーションを通して唯一無二のストーリー性のある住空間を紡ぎ出します。常にクライアントファーストの姿勢を貫く各務さんに、これまでで最も感銘を受けた宿や憧れのホテルについてお聞きしました。 【写真集】建築家・各務謙司さんが気になる宿・ホテルをピックアップ
1.各務さんがこれまでで、最も感動した宿「三養荘 老松」(静岡)
昭和4年に旧三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎の長男、岩崎久彌の別邸として建てられたのが現在の旅館「老松」。 その敷地内にある「老松」は、平成29年に文化庁による有形文化財に登録されています。現在は個室の食事会場の場として利用できます。 「旧岩崎家別邸の広大な庭に配置された庭園旅館です。建築家の村野藤吾氏が新たにつくった新館もありますが、岩崎家の時代からあった旧館が好きです。 入りくねった廊下を進むと扉もなく、そのまま老松の部屋に入ります。目の前には芝生の広い庭園が広がり、まるで昔の曽祖父の家に帰ってきたかのようで心身共にリラックスできます」
2.各務さんの思い出深いホテル「キンタレアル・オアハカ」(メキシコ)
16世紀に建てられた修道院を改修してつくられたメキシコにある趣のあるホテル。伝統的な織物や地元のアオハカクラフトで彩られている内部も魅力です。 「ハーバードに留学していた時期の冬休みに伯父伯母と訪問したホテルです。寒いボストンから飛行機で乗り継いでオアハカに着くと真夏の暑さで、すぐに水着に着替えてプールに入った瞬間の解放感を思い出します。古い修道院を改装したホテルで、中庭型の回廊でお茶や食事を楽しむことができます。 こじんまりとした町のセンターにもほど近く、車に乗ることなく全て徒歩で回ることができる素敵な街の素敵なホテルでした」
3.各務さんが憧れるホテル「イル・ボッロ 」(イタリア)
ホテルを選ぶ際の判断基準として、「まずはその宿がある町の魅力とホテルの空間が重なって、より強めあっていると思えることが重要です。宿自体には外部空間も含めてある程度の広さがあって、部屋だけでなく共用部分も含めてどのような時間を体験できるのかに興味がありますね」という各務さん。そんな各務さんが憧れるのは、イタリアで注目を集めるホテルです。 「古くさびれた山岳都市そのものをフェラガモ一族が買い取ってリノベーションしてつくったホテル。建物のなかだけでなく街並み、そしてその周囲までホテル空間に取り込んだ構想力に感心しています。周囲の畑の食材やワイン、SDG‘sを強く意識した経営方針も含めて、どこまで本物なのかを見てみたいと思っています」
プライベートの旅では、周辺の環境を体感することも含めてさまざまな方法で楽しまれている各務さん。真のラグジュアリーを究めている建築家・各務さん独自の視点でピックアップされたホテルや宿のセレクト。ぜひ皆さんの次回の旅の目的地の参考にしてください。