使途報告不要な政治資金 幹事長に集中の自民山口県連「適正に処理した」 2021年には1600万円支給
自民党の山口、島根両県連で、使途の報告が必要ない政治資金が2020~22年の3年間でそれぞれ4200万円、2695万円に上っていたことが明らかになった。政治資金規正法の抜け穴を利用した党本部の政策活動費と同様の制度で、山口県連は「現在の法律にのっとり適正に処理した」としているが、県連内部でも「見直しの時期だ」との声が聞かれる。 【表】自民党山口県連が県連幹部や県議に支出した活動費 記者は1600万円の使途の説明を求めたが、友田幹事長は「法律にのっとり適正に支出した」と強調し使途は明かさなかった。政治資金規正法は、政治家個人が受け取った政治資金の使途報告を求めておらず、山口県連の一連の資金処理は合法でもあるからだ。 さらに記者が「党員や県民の理解は得られるのか」とただすと「(マスコミを含めた外部から『おかしい』という)指摘は1回も受けていない」と説明した。 活動費の使途に関し、ある自民党県議が匿名での取材に応じた。「国政選挙も地方選挙もある。その費用にも充てている」との見方を示し、友田幹事長の受領額が突出する点には「幹事長が選挙を仕切っているからだろう」と述べた。「幹事長が一括して受け取り(県議らに)仕分けしている」とみる県議もいた。 県連が活動費として支出する理由については別の県議が「活動費を使った先を表に出さないでいいので、都合が良いときもある」と語った。
中国新聞社