ホリエモン出資の宇宙ベンチャーが戦略発表(全文3)世界で2社目の打ち上げ成功目指す
8企業・団体の代表者あいさつ(大樹町・JAXA)
司会:ありがとうございます。では続きまして、インターステラテクノロジズの所在地でもあり宇宙のまちづくりを掲げている北海道大樹町です。大樹町には衛星軌道投入ロケット用の射場整備など、宇宙輸送事業に不可欠なサポートをいただく予定となっています。なお、大樹町長、酒森さまは公務の都合でお越しいただけないとのことで、メッセージをお預かりしておりますので、代読させていただきます。 低コストで宇宙輸送事業の実現を目指すインターステラテクノロジズ株式会社、ISTの本社、実験場がある大樹町は30年余り前から宇宙事業の集積を目指し、宇宙のまちづくりを進めています。町内の大樹町多目的航空公園などでは毎年、大気球実験や無人航空機実験など、各種の航空宇宙関連実験が行われています。 このたび、みんなのロケットパートナーズが発足、始動することでISTが開発する軌道投入ロケットの開発が皆さんの協力で加速し、宇宙輸送事業が早期に実現するよう願っています。大樹町は地元として、町民はもとより地域と共に力を合わせてサポートしてまいります。とのことです。ありがとうございます。 では続きまして低コストのロケットエンジンの研究開発を共同で行うこととなりましたJAXAです。今回、宇宙イノベーションパートナーシップの枠組みの下、インターステラテクノロジズのエンジニアをロケットエンジン開発の拠点、JAXA角田宇宙センターに派遣いたします。本日はその角田宇宙センターの吉田所長が学会出席の都合で欠席のため、ビデオメッセージをいただいております。ご覧ください。 吉田:JAXA角田宇宙センターの吉田です。インターステラさんの挑戦、いろいろな壁に当たりながらも果敢に取り組む姿は同じロケット開発に取り組む者としても共感するとともに応援しております。今回、低コストロケットエンジン技術に関する検討について、パートナーシップを締結することになりましたので私からその概要をご紹介いたします。 JAXAでは今年度からスタートした中長期計画において、新たな宇宙利用の創出や産業振興に向けた取り組みによりいっそう力を入れているところです。その1つとして宇宙イノベーションパートナーシップ、J-SPARCという研究開発プログラムを今年度立ち上げ、すでに複数の企業との協業を開始しております。 今回、インターステラさんともこのJ-SPARCの枠組みで連携することになります。ここ、角田宇宙センターは1965年の開所以来、50年以上にわたりロケットの心臓部であるエンジンの研究開発に取り組んでおります。H-IIAの液体ロケットエンジンの開発や試験、現在は開発中のH3ロケットのエンジンの試験等もここ角田で実施されております。また要素技術であるターボポンプや、燃焼器等の基礎研究、将来のエンジン研究等にも取り組んでいるところです。 今回、ZEROの開発に当たり、そのエンジンの検討に取り組まれていると伺い、JAXAとしてのこれまで蓄積した知見を活用していただくなど、お役に立てることがないか意見交換させていただきました。本連携では低コストロケットエンジンの技術に関する研究テーマを双方で掲げ、それぞれ試験モデルを制作、ここ角田の設備で試験を行い、試験結果等を双方で共有することで、インターステラさんのZEROのエンジン検討にフィードバックしていただくことになっております。また、角田にインターステラさんのエンジニアを受け入れ、角田宇宙センターというエンジン研究には理想的な場所で研究や試験を実施していただく予定です。 今回、ほかにも強力なパートナーがISTさんを応援されるということで、JAXAとしても研究開発機関として技術で貢献していければと考えております。ロケットは宇宙へ衛星や物資を運ぶ唯一の手段であり、宇宙ビジネスの基礎となるものです。ぜひ日本の将来宇宙輸送を一緒に盛り上げていきましょう。