神武天皇像の修復完了 小矢部・城山公園、7カ月ぶり 能登半島地震で足元から倒壊
能登半島地震の影響で足元から倒壊した小矢部市・城山公園の「神武天皇像」が修復され、約7カ月ぶりに元の姿に戻った。現地で10日、修復完成式典が行われ、地元の関係者約50人が公園のシンボルとなっている銅像の復活を喜び、継承へ意欲を新たにした。 銅像は高さ約3・6メートルで、戦場で神武天皇が手にした弓にトビが止まって勝利を導いた神話の一場面を表現している。建立は1922(大正11)年と伝わる。像の前には明治期以降の戦没者をまつる「招魂碑納堂」が置かれ、霊璽(れいじ)(位牌)が収められていた。 像は高さ約4メートルの土台の上に置かれていたが、元日の地震で地面に落下し、頭部が大きく欠け、弓を持つ右手などが破損した。招魂碑納堂の天板や周辺の石垣なども損壊した。 像が立つ園内の一帯は「平和の礎」と呼ばれ、市内の戦没者遺族で組織する城山公園招魂碑保存会が維持管理してきた。 像の倒壊を受け、保存会は高岡市内の銅器業者に修復を依頼した。約半年かけて修復された銅像は、神話に基づいて新たにトビを金色に着色した。土台の高さを低くするなど耐震性も高めた。納堂の天板や石垣も修繕し、これまで離れた場所にあった「平和の礎」の石碑を像の前に移設した。会員を含めて305人から賛助金を得た。 式典では、保存会の屋敷吉信会長ら役員が、愛宕神社に遷座していた霊璽を納堂に収め、桜井森夫市長らが玉ぐしをささげた。屋敷会長が祭文を読み上げ「周囲の協力で奇跡的に修復が実現し、多くの人の思いが形になった」と感謝した。 石段には「石動あさがほ会」が丹精したアサガオの鉢が並べられた。