「『破れないストッキング』は陰謀論」「指飛ぶで?」炎上した靴下屋の「“キレ気味”投稿」から、我々が学ぶべきこと 過去には同アカウントの投稿が称賛されていたが
この取り組みは、消費者から称賛を浴びたことに加え、国内外のアワードを多数受賞するに至っている。 ■不当なクレームに眠る「ビジネスのヒント」 さすがに、ここまで徹底的に対応するのは難しいとは思うのだが、顧客のクレームを「不当だ」「わがままだ」と切り捨てるのではなく、顧客と真摯に向き合うことは重要なことだ。 靴下屋の投稿にしても、靴下で行っている耐久性強化の取り組みを伝えつつ、ストッキングでその技術が応用できない理由を感情的にならず、丁寧に説明していれば、炎上も避けられたし、企業としての取り組みを効果的に伝えることもできたのではないだろうか。
今年10月には東京都で全国初のカスハラ防止条例が成立、もはや「お客様は神様」ではなく、従わなければならない存在でもなくなっている。ただ、一見すると不当に見える不満やクレームにも、ビジネスのヒントは眠っている。 “One man's trash is another man's treasure. (ある人にとってのゴミは、別の人にとっては宝)という英語のことわざがある。SNS上のクレームもそういう側面があることは覚えておいてもいいだろう。
西山 守 : マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授