「『破れないストッキング』は陰謀論」「指飛ぶで?」炎上した靴下屋の「“キレ気味”投稿」から、我々が学ぶべきこと 過去には同アカウントの投稿が称賛されていたが
炎上しただけにとどまらず、株価も下落し、前澤氏は謝罪を行い、一時期、送料を完全無料化するという対応を行った。 ■今年、クレーム対応を間違えて炎上した企業 さすがに、ここまで厳しい物言いをする事例は最近では見られなくなってきたが、直近でもいくつか対応を誤った事例は見られる。 1つは、1月に起こったレゴランドの炎上だ。レゴランドへの入場の際に不当な扱いを受けたとする来場者が、Xにその内容を投稿した。それを受けて、社長自らが対応を行ったのだが、DMでのやり取りの内容を公開するなど対応方法に不備があり、さらなる批判を浴びてしまった。
3月には、車いすユーザーがイオンシネマで利用を断られたことをXに投稿し、映画館の運営会社イオンエンターテイメント社が謝罪に追い込まれるという事案があった。なお、本件に関しては、企業側を擁護する意見もあり、賛否両論が巻き起こっている。 企業の窓口に直接連絡が来るのであれば、企業と顧客の間の対応になるが、SNSに投稿されてしまうと、第三者も巻き込んで炎上してしまうこともある。 炎上を避けるために、「火消し」をしようと思って行動したつもりが、トラブルが起きていることをさらに広く知らしめてしまったり、炎上を加速させてしまったりすることも少なくない。
では、こうした問題が起きたときに、どのような対応をすればよいのだろうか? 消費者からのSNS上のクレームにうまく対応を行って、賞賛を浴びた事例を紹介したい。味の素冷凍食品の「フライパンチャレンジ」という取り組みだ。 2023年5月、Twitter(現Xに)同社の冷凍餃子がフライパンに張り付いている写真が、「油いらないって!! 書いてたじゃん!! ! 嘘つき!! !」というコメントととともに投稿された。
この投稿を見た味の素冷凍食品の担当者は、投稿者に「フライパンを着払いにてご提供いただけないでしょうか? 焦げ付いてしまうフライパンの状態を確認させていただき、研究・開発に活用させていただきたく考えております。」と依頼した。 やり取り自体も誠実な対応として称賛されたが、これにとどまらず、翌月には冷凍餃子が張り付くフライパンの提供を呼び掛けた。最終的には、3520個ものフライパンが集まった。「冷凍餃子フライパンチャレンジ」という専用サイトを立ち上げ、3Dスキャンしたフライパンの画像をアップ。さらに、noteを立ち上げて検証の経過報告まで行っている。