関西初のドローン操縦者養成スクール開校 デモ飛行も
商工会議所と民間企業など連携し操縦者養成
関西初のドローン操縦者養成スクール開校 デモ飛行も THEPAGE大阪
産業用ドローン(無人飛行機)の操縦者を養成するドローン操縦者養成スクールがこのほど、大阪市旭区の大阪工業大学で開校し、開校式でドローンのテスト飛行も公開された。ドローンは機動性の高さから、多様な産業分野での応用が期待され、関西でも商工会議所と民間企業などが連携し、ドローンの開発や市場開拓、操縦者養成などに乗り出した。 【拡大写真付き】いま話題のドローンとは何か? 法整備は間に合っているのか?
少人数制の4日間特訓でドローンパイロットに
このスクールは国産ドローンの研究開発やビジネス利用を推進する全国団体「一般社団法人ミニサーベイヤーコンソーシアム」(会長・野波健蔵千葉大学特別教授)の技能検定委員会が主催。国産産業用ドローンのパイオニアである「ミニサーベイヤー」の操縦者養成スクールが関西で開校するのは初めてだ。 同コンソーシアムの大阪・関西地域部会の事務局を務め、ドローンの開発、製造、事業利用などを支援している大阪商工会議所が大工大に協力を呼びかけ、開校が実現した。 受講期間は4日間。今回は少人数個別講習となるため、定員2名以上4名以下の枠内で受講生を募集し、2名から応募があった。 カリキュラムはドローンの飛行原理、法規制、安全ガイドラインなどの学科の他、パソコンを使用したシミュレータ練習、練習機や検定機によるフライト実技、検定試験などで構成。受講修了者には同コンソーシアムが技能認定書が発行し、ドローンパイロットとして認められる。
すばやい移動やホバリングの模範操縦を披露
開校式では、ベテランパイロットらによるデモ飛行が公開された。デモ飛行に使用されたのはミニサーベイヤーMS-06LA。1998年のドローン開発の幕開け期から研究を重ねてきたシリーズの改良型で、幅広い分野で応用されている量産機モデルだ。 この日は飛行エリアが限定されていたが、パイロットが水平垂直方向の滑らかな移動や空中で静止するホバリングなどを模範操縦。ドローンの機動性の高さを実証するとともに、ドローン操縦に求められる安全性の重要性などを訴えた。 デモ飛行を見守っていた受講生のひとりは一級建築士で、設計施工に従事してきた。「ビルの外装がひび割れしていないかなどを調べる保守点検業務は現在、足場を組んで人力でこなしているが、ドローンと点検ソフトを組み合わせることで、保守点検を抜本的に変えられる」と、建築分野でのドローン改革の可能性を強調。「近い将来多くのドローンパイロットが必要とされる時代が訪れる」と話した。 関西はものづくりに強いうえに、都市部ではドローンの潜在需要が大きい。受講しやすい都市部の操縦者養成スクールにも期待が集まる。大阪・関西地域部会の会員数は30社。大阪商工会議所は「ドローンを応用できる分野を部会で共同研究し、市場を開拓しながら新たな市場にふさわしいドローンの開発につなげたい」と先を見据えている。詳しくは大阪商工会議所の公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)